ロンドン地下鉄の「廃駅探険ツアー」は超レア 大英帝国が誇る100年超の鉄道遺産を活かす
もう一つが、廃駅となった地下鉄駅の探検ツアーだ。長いロンドン地下鉄の歴史の中では、廃止となって使われなくなった駅がいくつかあり、遺構としてそのままの状態となっているものも多い。ロンドン交通局では、これらをガイド付きで探検するツアーを年に数度だけ行っているが、これが大変な人気イベントで、予約開始後に即完売のこともある。
筆者も廃駅ツアーの申し込みでは何度か涙を呑んだが、2016年2月、旧オルドウィッチ(Aldwych)駅見学ツアーのチケットを何とか入手し参加した。
今回、チケットを入手できたのは先行予約のお陰で、こうした特別なイベントは、博物館の無料案内メールに登録しておくと、イベントの一般予約受付開始前日に、先行予約を受けることができる特典があるのだ。
「禁断の扉」の中へ
今回見学したオルドウィッチ駅は、現在のピカデリー線ホルボーン駅から分岐し、テムズ川を潜ってウォータールー駅へ至るルートとして、当時の政府が建設を決定、1907年にストランド駅として開業し、1915年にオルドウィッチへ改称した。
開業当時は複線を有し、本線格の路線であったことが伺えるが、結局延長する計画は立ち消え、その後ピカデリー線は西へ路線を延ばし、コベントガーデンやピカデリーサーカスなどの繁華街へ抜けていくルートとなった。残ったオルドウィッチ駅は支線の終点となり、1917年には1線を撤去して単線でホルボーン駅との一駅間を折り返し運行した。しかし利用客の減少により、ついに1994年に廃止された。
見学当日、集合場所のオルドウィッチ駅前へ行くと、まず名前をチェックされ、免許証やパスポートなど身分証明書の確認もされる。一度購入した場合、転売ができないシステムになっているのだ。一回の見学は約1時間で、だいたい30人程度で回る。いよいよ禁断の扉が開かれ中へ入ると、昔のチケットホールや改札は思いの外、そのままの状態で保存されており、きれいにメンテナンスされていることがわかる。
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