あなたが後輩にスルーされる「6つの理由」 気合より具体、バイアスよりプレゼンス

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まず、ひとつ目と2つ目は、話す内容やコミュニケーションの仕方です。

「自分が若い頃は……」はしらけさせる

① 成功体験より、失敗体験

端的に言ってしまうと、バブル世代や右肩上がりの時代に生きてきた人の成功体験は若者にはウケません。根底には、今の不況はそういう時代を謳歌してきた人のせいであるという被害意識があることも。「自分が若い頃は……」という話をしてハッパをかけようとしても、「時代が違うのに、参考にならない」としらけさせてしまうのです。

反対に、効果的なのが「失敗体験」です。「しくじり先生 俺みたいになるな!」というテレビ番組が人気ですが、失敗は人の心を引きつけ、心を開かせます。弱さの自己開示は、それをさらけ出す強さすら感じさせ、さらに共感も得られるという一石二鳥でもあります。

私自身、完璧でなくては……といいかっこをするタイプでしたが、「実は話すのがすごく苦手でこんな失敗をして、それ以降こうするようになった」という弱みや、先輩や上司に怒られた経験などを話すようになったところ、「清水さんでもそんなことがあったのですね」と相手の態度が大きく変わりました。

ここで気をつけたほうがいいのが、失敗談といいつつも、若い頃はこんなやんちゃもしたという「武勇伝」にしないことです。武勇伝は口では「すごいですね」と言いつつ、心では「はいはい、また始まった」とウンザリされていることでしょう。

② 面談より雑談

部下とのコミュニケーションというと面談やコーチングなど改まった席や、飲み会でじっくり語るなどきちんと「場」を設定して話すというイメージを持たれる方も多いでしょう。しかし、面談のような改まった場だとなかなか本音を言いにくい若手も多いようですし、そもそも飲み会自体も敬遠されます。

年に1~2回など改まって話す機会を作るよりは、日常の中で頻繁に数分でも話したほうが、距離は縮められます。「最近、どう?」、「この間のあれ、どうなった?」、「あの仕事よかったね」など短い声がけをこちらからするのです。

仕事なんだから、そんなに気を使う必要はないと思うかもしれませんが、距離が遠ければ遠いほどミスコミュニケーションが起きやすくなり、仕事のトラブルにつながりやすいのです。仕事の話だけでなく、趣味や、出身地、学校、好きな食べ物や飲食店情報など共通点を見つけながら話すことで、言いにくいことも話してみようかなという気持ちになるので試してみてください。

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