爆買いツアーよりもスゴい「越境EC」の潜在力 中国人は日本の物をもっと買いたがっている

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日用品については、「使える」だけでなく、「使い勝手が良い」「デザインが良い」ことに対する要求も高まってきた。若年層は留学やネットを通して海外商品の良さや商品から伝わるコンセプトに魅了されている。たとえば携帯用魔法瓶。中国にはたくさんのローカルブランドがあるが、日本で買った魔法瓶が「可愛い」「軽い」「おしゃれなピンクでダサくない」「実験してローカルブランドのものより確かに長く保温できた」と言う。中国国内の製造業は以前よりはるかに進歩しているものの、まだ追いついていない。

さらに海外の新製品は中国で販売されるまで時間がかかるし、そもそも中国国内で販売されない商品も多い。越境ECを利用すれば、中国国内で未発売の商品を購入することができる。ファッション、電気製品、日本限定化粧品等だ。この「購入不可能」を「可能」にする越境ECは、先端的な中国消費者にとって魅力的だ。

最大ECサイトと比べて2~4割安いのが魅力

同じ海外商品でも、中国内外の激しい価格差がある。訪日中国人の爆買い、越境ECのヒット商品であるK社の紙オムツを例にとってみよう。

中国の最大B2C国内ECサイト、アリババグループの天猫(テンマオ)での販売価格は、日本国内の販売価格の2倍以上もする。代表的な越境ECサイトでの販売価格(送料、税込)は、天猫より2~4割程度安い。消費者の立場だったら、越境ECは、国内で買うより安く、しかも偽物が少なく安心なので、魅力的だと感じる。

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