英国残留「株価の戻り」は絶好の売り場になる その場合メドとなるのは1万6800円以上だ
一方、日本株についても、円安になれば、ある程度の戻りは試すだろう。超短期的には日経平均株価は1万6250円から1万6500円がターゲットになろうが、買戻しと将来への期待を込めた買いが入れば、1万6800円あたりまで戻す可能性はある。またこれを超えると、1万7200円あたりがターゲットになると考えるが、この水準は筆者が考える長期トレンドが位置しており、普通に考えれば抜けるのはかなり難しいといえる。
現在の日経平均株価の一株当たり利益(EPS)を1200円が正しいと仮定し、株価収益率(PER)の14倍まで買われるとすれば、日経平均株価は1万6800円が適正値になる。また15倍まで買われるとした場合には、1万8000円までの上昇が許容されることになる。以前であれば、15倍が中心であり、この水準まで上昇すると考えるのが妥当だったのだが、いまは円高圧力や企業業績に対する不透明感などもあり、15倍が許容されるとは考えにくい。このように考えると、14.5倍に相当する1万7400円あたりが一定のメドと考えてよいのではないかと考えている。
本質的な流れを見誤ってはいけない
しかし、本欄で繰り返すように、基本的な為替の見方は円高基調の継続である。ドル円が110円を超える水準にまで戻した場合でも、それは持続的なものにはならないだろう。むしろ、その後は再度円高圧力が強まり、これが日本株を圧迫することになりやすい。そうであれば、今回の国民投票の結果を受けた株価の戻りは、絶好の売り場になる。1万6800円以上をメドに売り上がるタイミングを逃さないことが肝要であろう。無論、筆者の見方が外れ、1万7000円以上の状況が常態化するようであれば、それは株価の長期的な見方を変えることを検討する必要があるということになる。
ドル円と日経平均株価との連動性が薄れており、この点には注意が必要だ。それでも、日本株は円高圧力の呪縛からは逃れられないだろう。ドル円については、英国の国民投票の結果にかかわらず、中長期的な下落基調は変わらない。そう考えれば、日本株の戻り売り圧力は今後も続くことになる。英国の国民投票の結果は確かに重要な材料である。しかし、本質的な流れを見誤ってはいけない。日本株を取り巻く環境や構造が変わらない限り、円高による株価下押し圧力は払拭されないだろう。
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