超人気「プレステVR」には2つの課題がある ゲーム業界に風穴を開ける最有力候補だが…

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プレイステーションVRの全貌が業界全体に知れ渡るに従い、徐々にプレイステーションVRの(ゲーム機だけでなく、パソコンゲームも含めたゲーム産業内全体での)プレゼンスが上昇を続けていることが、予約開始時の「注文殺到」や「購入したくてももうない」といった状況を生んだ。

ただし、課題もある。ここでは2つの課題を挙げたい。

大成功に向けた2つの課題

比較的高い量産性を実現しているとみられるプレイステーションVRだが、本格的な量産には至っていないようだ。SIE社長のハウス氏が話していたように、「ニーズに対して初期の出荷数は不足する」状況がどのくらい続くのかが、課題になる。ここをクリアできなければ、プレイステーションVR、あるいはその次世代製品が、SIEの屋台骨を支えることもなければ、ゲーム産業全体の中で大きな位置付けとなることはない。

プレイステーション4の周辺デバイスという位置付け

また、「プレイステーション4の周辺デバイス」であることは、利点であると同時に制約になりかねない。

たとえば学生やアーティストなどが、VRディスプレーを用いた新しい発想のアプリケーションやコンテンツ開発に取り組むといったとき、パソコンとの組み合わせでコンテンツ開発できる環境なども必要ではないだろうか。「ゲーム産業のクリエーター以外」との協業を進める軸を整備しなければ、プレイステーションVRが広げるだろうVRディスプレーを中心とした盛り上がりを、他社に奪われる可能性もある。

まずは、エンターテインメントコンテンツのプロフェッショナルであるゲームクリエイターとのコラボレーションの場を構築することに成功したSIEだが、その世界を広げていくことが今後の課題といえるだろう。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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