超人気「プレステVR」には2つの課題がある

ゲーム業界に風穴を開ける最有力候補だが…

プレイステーションVRの初期の試作機では、装着してプレイしていると船酔いのような症状を感じることも多かったが、今では改善している。毎秒60フレームだった描画を120フレームに拡張し、間のフレームを自動補完する仕組みを導入したためだ。ディスプレー本体の装着方法も進化を重ねるなど地道な改良も効いている。

また、実際に各種のVRディスプレーを体験するとわかることだが、ディスプレー本体に使われるレンズの質が高いことも付記しておきたい。VRディスプレーのレンズは、ディスプレー解像度とともにVR体験の質を決める上で重要なファクターだ。プレイステーションVRが採用するレンズは、有力なVRディスプレー製品と比べても高い品質だ。しかも、きちんと量産性を確保している。だからこそ安価になったとも言えるだろう。

国内34社、海外で230社以上がコンテンツを開発

さらにプレイステーションVRは、コードネーム「プロジェクト・モーフィアス」と呼ばれていた時代から、ゲームコンテンツを開発するパートナーとの協業を深いレベルで行ってきた。パートナー企業と「ユーザー体験を拡張する新たな進化軸こそがゲーム産業のブレイクスルーに繋がる」との認識を共有しているのだ。

密接に共同開発してきたコンテンツに加え、トータルでは国内34社、グローバルで230社以上がプレイステーションVR向けにゲーム、コンテンツを開発しており、その数は増加し続けている。

当初より質の高いデモを行ってきた点も、前評判を高めることに繋がった。ゲーム専門記者だけでなく、幅広いジャンルの記者、ジャーナリスト、ブロガーなどにプレイステーションVRのコンセプトを理解してもらう努力をしてきたこともよい結果をもたらしている。

第1世代のVRディスプレー製品は、数十万から数百万レベルの市場規模とみられている。Oculus Riftの開発者版は6万台を販売し、年内に500万台との予想も出ていたが、価格が開発者版の350ドルから大きく上昇したことで販売の伸び悩みが伝えられている。

そうした中でプレイステーションVRへの期待は高まる。確かにプレイステーション4の周辺デバイスではあるが、プレイステーション4本体はすでに4000万台販売されており、現世代の据え置き型ゲーム機の「標準機」ともいえる。「新しいゲーム体験」に対する熱量が高いプレイステーション4オーナー4000万人が潜在ユーザーと考えれば、第1世代のVRディスプレー製品として"独り勝ち"をする可能性を秘めている。

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