日経平均の値動きはリーマン前に似ている? 英国民投票で残留派が勝っても安心できない
現在、市場関係者は、国民投票の結果を受けた市場動向について、様々なシナリオを立てて解説している。だが「事前のシナリオ通り」に動くことはないだろうし、そのようなシナリオに沿って、いまから対応することは非常に危険だ。実際にトレードしている立場からすれば、あらかじめシナリオを立てるとしても、その通りになることを前提にポジションは持つことはない。
なぜなら、あまりにリスクが大きすぎるからである。まして、今回のような「イベント」は過去にもあまり例がない。無理にシナリオを立てて、利益を追求しようとすれば、それはあまりにリスクが大きい。もっとも、成功すれば、リターンも大きそうなので、冒険したくなる気持ちはわかるというものだ。
急激に為替が動くと、通常の取引ができない危険性
今回のイベントへの対応は、投資家のそれぞれの立場や考え方次第であり、当然ではあるが、投資判断は自らの責任で行うしかない。
読者の方々の中には、FX取引をしている方もいると思われるが、そうした方々に注意していただきたいのは、実際にトレードを行う際の市場環境である。市場で多く聞かれるシナリオに基づけば、英国がEUを離脱した場合には、ポンド・ユーロ安が進み、株式市場もダメージを受けるだろう。
無論、この場合は円高に進むことになる。これは、典型的なリスクオフの動きになるが、その際に期待した価格でトレードができるかは不明である。
市場が大荒れになれば、FX業者はオーダーをカバーする際のリスクを低減するために、大幅なスプレッドを提示するだろう。
当然のことではあるが、FX取引を行う投資家は、この点をよく理解したうえで対処したい。また両建てをしてリスク回避をしたつもりでも、スプレッドが拡大すると強制決済になる可能性もある。
またポジションが逆行し、手仕舞いをしたい場合に市場価格よりも悪いレートで手仕舞いを強いられる可能性もある。今回のイベントでは、これらのリスクも十分に考慮したうえで、市場に参入すべきであろう。
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