日経平均の値動きはリーマン前に似ている? 英国民投票で残留派が勝っても安心できない
一方、英国がEUに残留した場合はどうか。一時的にはリスクオンのような動きになり、ポンドやユーロなどの欧州通貨が買われ、円やスイスフランは売られるのだろう。また株式にも買いが入り、投資家は積極的に買ってくるかもしれない。
残留は所詮「現状維持」、金の購入検討を
しかし、残留は現状維持である。心理的な不安感が払しょくされるだけであり、何か状況が劇的に好転するわけではない。この点を理解しておく必要はあるだろう。
どのような結果になったとしても、最終的にポートフォリオに入れておきたいのは、やはり金である。英国の国民投票で不安要素のすべてが払しょくされるわけではないからである。
ただし、短期的には金も調整するリスクがある。COMEX金先物市場における投機筋の買い越しポジションが24万枚超の過去最高水準にまで膨らんでおり、高値での買いポジションが積み上がっている。
そのため、英国の国民投票の結果次第では、大幅な調整を強いられる可能性は否定できない。しかし、金価格が急落すれば、そこは「絶好の買い場」になるだろう。繰り返すように、米国はドル安政策に転換している。今回のイベントが終われば、今後のマーケットは米国の金融政策や米大統領選挙の動向に目が向くだろう。さらに、約1年前の「チャイナショック」を想起する向きも出てくるだろう。
これらすべてが、不安要素である。資金の一部を金に換えておくことが、今後数年間のポートフォリオ構築には欠かせない。
また、日本株が戻したところは、絶好の売り場になるだろう。実際、月足が24カ月移動平均線をなかなか突破できない現状の日経平均の値動きは、2008年のリーマンショックのときと、似たような動きになってきたと筆者は見ている。こういう見方をすると、「軽々に言うな!」と、お叱りを受けるかもしれない。だが、7月以降の株価動向には、これまで以上に注意が必要と考えている。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら