ソニーが「新銀座ビル」に込めた復活への誓い

創業者のDNAは新ビル計画にも反映している

ソニービルの形をしたラジオ。東洋経済で活躍し、ソニー創業者との親交があった石橋湛山(第55代首相)の自邸書斎に飾られている(写真:編集部)

計画によると、ソニービルは2017年3月31日に営業を一旦終了。その後、ビルを解体して平地に整備し、訪日観光客の増加が見込まれる2018年から2020年の間は「銀座ソニーパーク」として、そのスペースを開放することになる。そして、東京オリンピックが終わった2020年秋以降には、ビルの建設を開始し、2022年秋には、新ソニービルとして再オープンする予定だ。

銀座ソニーパークの考え方は、数寄屋橋交差点の一角という場所を2年以上にわたって開放し、銀座の街と一体化しながら、さまざまなイベントを行ったり、自由にくつろげたりする場として利用するという大胆なもの。その考え方は、現在のソニービルの建設の際に、盛田氏がこだわった「ソニースクエア」に通じるものがある。

盛田氏がこだわった「ソニースクエア」とは?

2018年から2020年の間は「銀座ソニーパーク」としてスペースを開放する

角地の建物であれば、必ずといっていいほどそこに正面入口を設置するものだが、ソニービルでは、角部分の33平方メートル(約10坪)に屋外公共広場を設けている。これがソニースクエアと呼ばれる場所だ。

銀座の街との一体化を目指したエリアで、1966年のオープン時には、八丈島などから取り寄せた約2000株のあせび(馬酔木)を植えたり、その後も四季折々の変化に応じたイベントが開催する場として利用されている。大型水槽を使ったソニーアクアリウムや、美ら海水族館との連動イベントなどは定番企画として、銀座を訪れる人たちを楽しませてきた。電機メーカーの発想を超えた場所である。

銀座ソニーパークも同様の狙いがあり、707平方メートルの敷地は、銀座を訪れる人たちのために使われることになる。

オープン当初、ソニービルは、2300個のテレビ用ブラウン管を壁面にはめ込んで話題を呼んだ

当然、ソニーにとっても、ソニービルは、象徴的な建物だ。

世界初のトリニトロン方式カラーテレビの発表は、ソニー創業者である井深大氏自らが、ソニービルで記者会見を行い、それを機に世界一のテレビメーカーへと上り詰めた。

また、1994年12月に発売したプレイステーションも、発売に先駆けてソニービルでお披露目イベントを開催。このように、ソニーのエポックメイキングな製品の発信には欠かすことができない場所だった。

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