ソニーが「新銀座ビル」に込めた復活への誓い 創業者のDNAは新ビル計画にも反映している

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9月24日にオープンする「銀座プレイス」。4~6階にソニーショールーム/ソニーストア銀座が入居する

現在のソニーショールームおよびソニーストア銀座は、2016年8月28日にひと足早く営業を終了。約1カ月後の9月24日、銀座4丁目交差点の一角に、ソニーショールーム/ソニーストア銀座を再オープンする予定だ。

ソニービルで、現在、ショールームおよびソニーストアで使用している4階部分までの面積は約450坪。GINZA PLACEのスペースは3フロアで約390坪。面積はそれほど変わりはない。

「これまでのソニービルは、階段状の花びら構造となっていたため、コラボレーションした展示が行いにくかったり、バリアフリーにも課題があった。新たなソニーショールーム/ソニーストア銀座では、開放感を持ったスペースにし、柔らかいイメージを持たせるとともに、それによって入りやすいイメージを重視する。写真を愛する人、映像を愛する人、音楽を愛する人に、ライフスタイルを提案する場所として、この3つのカテゴリーを中心にフロア構成を行なう。ソニービルを超える拠点として、ソニーファンのためのフラッグシップ拠点を目指す」(浅山執行役員)。

ソニーショールームという名称を使っているのは銀座だけ。その名称をあえて残したのも、「ソニー=銀座=ショールーム」というイメージを維持する狙いがある。

2022秋に新ソニービル完成後はどうなる?

気になるのは、2022年秋に新たなソニービルが完成した際に、GINZA PLACEのソニーショールーム/ソニーストア銀座が閉鎖するのかという点だが、「新ソニービルは、ソニーグループが持つ様々な事業ドメインをまたいだ新しい情報発信基地になる。2022年に新ソニービルが完成したときに、ソニーの事業ドメインがどうなっているのかによる。現時点では、どうするかは決まっていない」(浅山執行役員)とする。

テナントの定地借家契約では5年が多いことを考えると、ソニーは、その時点で、GINZA PLACE契約を延長するかどうかを判断することができる。いずれにしろ、銀座の地において、ソニーの存在感を最も発揮できる判断が可能になるといってもいい。

ソニーの灯は銀座から消えないことは明らかだが、今後、銀座の地を活用しながら、ソニーの価値を再び引き上げることができるのかが注目される。

大河原 克行 ジャーナリスト

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おおかわら かつゆき

1965年、東京都出身。IT業界の専門紙である「週刊BCN(ビジネスコンピュータニュース)」の編集長を務め、2001年10月からフリーランスジャーナリストとして独立。IT産業を中心に幅広く取材、執筆している。現在、ZDNetの「大河原克行のエンプラ徒然」(朝日インタラクティブ)、PC Watchの「パソコン業界東奔西走」(Impress Watch)、クラウドWatch、家電Watch(以上、Impress Watch)、ASCII.jp (KADOKAWA)、日経トレンディネット(日経BP社)などで定期的に記事を執筆。著書に、「ソニースピリットはよみがえるか」(日経BP社)、「松下からパナソニックへ」(アスキー・メディアワークス)、「図解 ビッグデータ早わかり 」(中経出版)など。

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