ソニーが「新銀座ビル」に込めた復活への誓い

創業者のDNAは新ビル計画にも反映している

長年のソニーファンであればあるほど、「ソニー=銀座=ショールーム」というイメージが強く根づいているだろう。

つまり、ソニーがエンドユーザーに対して、情報を発信する場であるとともに、エンドユーザーとの接点をつなぐ場所がここであったというわけだ。近年では、発売前の製品を展示したり、最新の商品を体験したりといった販売前の提案だけでなく、商品販売の場としても活用。さらには、修理を行ったり、セミナーを通じた活用方法の学びの場としても利用。購入後のサポート強化によって、ソニーファンを増やす役割を担っている。

「デジタル一眼カメラのαを例に取れば、最新製品を展示し、すべてのレンズを試すことができる場になっている。そして、カメラアクセサリーなどを一堂に展示したり、オリジナル製品を用意して、これも気軽に購入できるようにした。また、セミナーを通じて、写真の撮影方法を学ぶことで、カメラを楽しんでもらったり、イメージセンサーのクリーニングなどのサポートも受けられる。αユーザーのあらゆる要求に応え、カメラをさらに楽しんでもらうことができる拠点になっている」(ソニーショールームおよびソニーストアを統括するソニーマーケティングの浅山隆嗣執行役員)とする。

銀座のソニービルだけは売却しなかった

ソニーは、ここ数年、資産を売却し続けてきた。旧本社を含む御殿山エリアの土地のほか、テレビ事業発祥の地である大崎西エリア、米国進出の象徴であり、「世界のソニー」の足がかりとなったニューヨークの拠点などがそれだ。

だが、銀座のソニービルだけは売却しなかった。情報発信拠点であり、エンドユーザーとの接点の役割を担うソニービルは、それだけソニーにとっては特別な場所であったともいえるだろう。

そして、ソニーは、今回の「銀座ソニーパークプロジェクト」において、ウルトラCをやってのけた。

それは、新たなソニービルが完成する2022年秋までの期間も、ソニーは、銀座において、ソニーショールーム/ソニーストア銀座を維持し続けるというのだ。しかも、その場所は、銀座4丁目交差点の一角にオープンする「GINZA PLACE(銀座プレイス)」の4~6階の3フロアという好立地である。この3階部分には、「SONY」のロゴも入ることになる。 

つまり、SONYのロゴは、一瞬たりとも銀座から消えることはないのだ。ソニー関係者が、「GINZA PLACEに入居できたのはラッキーだった」と、つぶやくのも納得できる。

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