面接解禁直後に学生が人気企業に殺到するのは毎年のこと。そこで、人気企業の採用活動が一段落したこの時期から採用活動を本格化させる中堅企業は少なくない。
今回は、優良中堅企業の中でも採用活動に積極的な製造業2社を紹介しよう。
ニッチ分野で圧勝する企業とは
ジャスダック上場のフロイント産業は医薬製造機械や医療添加剤を製造している。同社の採用担当者は「これからエントリーしてくる学生は本気度が高いはず」と、6月下旬からの採用活動に意欲を燃やす。
同社は錠剤の原料の粉を粒に固めたり、錠剤の表面をコ-ティングしたりする機械を製造しており、この分野では国内市場7割、世界市場では2割のシェアを持つ。ニッチな分野だが、この分野では圧倒的な強みを持つ企業だ。
経済産業省はニッチ分野において高いシェアを確保し、良好な経営を実践している企業を「グローバルニッチトップ企業100選」に選定している。経済産業省のお墨付きの優良企業100社だ。同社は薬の造粒・コーティング装置というニッチな分野で高いシェアを有していることが評価されて「グローバルニッチトップ企業100 選」に選定されている。
また、同社は錠剤の原薬を包む医療添加剤も製造している。添加剤に薬効はないが、原薬だけでは苦みや臭気で服用できないことがあるので、添加剤も非常に重要だ。薬の開発段階から製薬メーカーと組んで添加剤の開発を進めている。製薬会社との関係は強固であり、後発会社が入り込むのは難しい。
機械は頻繁に売れるものではないが、添加剤は安定的に売れるのでフロイント産業の業績は安定している。なんと53期連続で黒字決算だ。
さらに同社はお菓子やパンなどに入っている小袋入りの食品品質保持剤も作っている。機械や添加剤を製造している同社に馴染みのある学生は少ないだろうが、実は身近なところで同社の製品を目にしているはずだ。
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