2016年卒採用では6名に内定を出したが、結局4名しか採用できなかった。2017年卒では内定者を25名確保したいとしているが、今のところ内定者は2名。残りについては、6月下旬からの採用活動を強化し補充する意向だ。
学生にとって何回も会社を訪問するのは負担になるので、同社では説明会の日にエントリーシートの記入と筆記試験を行う。面接重視なのでエントリーシートに書く分量は多くない。一次面接から最終面接まで3回の面接をクリアすれば内定だ。
地方出身の社員には30歳になるまで年に1回、帰省の交通費を全額支給するという人情味のある制度もある。
東証1部上場でも内定者35%の企業も
東証1部上場の日東工器は配管の簡易接続機器である迅速流体継ぎ手の最大手。ガソリンスタンドでは燃料タンクからホースが出ていて、その先に金具があり、それを車の給油口に差し込んでガソリンを入れる。このホースの先にある金具を迅速流体継ぎ手という。
迅速流体継ぎ手は工場やオフィス内の各種配管や半導体製造装置、油圧機器などいろいろなところで使用されるが、学生にはガソリンスタンドでの使用事例が最もわかりやすいだろう。
また、鋼材の穴開けや切断、研磨、はく離など金属加工の現場で使用される機械工具の売上高も大きい。2011年以降、東京都大田区の町工場を中心に開発を進めてきたボブスレー競技用のそり「下町ボブスレー」の製造には同社の機械工具が使用された。
同社は業績が安定しており設立以来60年間黒字決算が続いている。また、有利子負債はゼロ(2016年3月期)の無借金経営だ。技術力、業績、財務体質では文句のつけようがないが、学生に馴染みのある企業ではないため新卒採用では苦労している。
2016年卒では10名採用したが、2017年卒では14名の採用を予定している。しかし、現時点では5名しか確保できていない。
同社は役員面接に合格した学生に対して、人事課が入社の意思確認のために面談を行う。今年は面談で「入社します」と断言したにもかかわらず、後になって辞退するケースがある。「こんなことは昨年まではなかったこと」(同社人事課)。売り手市場であるために優良企業でも採用に苦労している。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら