なぜ彼は、スタートアップの"神"となったか 米国で大ブレイク、リンクトイン創設者のキャリア論

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その中には、「アントレプレナーシップとは、ビジネスのことだけではなくて、人生にも言えること」とか、「自分が大切だと思う仕事をやっているとき、人はもっとハードにベターに仕事ができるようになるものだ」、

「自分を変える最速の方法は、自分が求める姿を実現している人と一緒にいること」「どんな状況にあっても、計画ではなくて行動が、現実に対して仮説をテストするような教訓を与えてくれる」といったようなタメになる言葉が込められている。

彼は、別のところでこのようにも語っている。

「これまで、キャリアははしごのように上って行くものだと思われていたけれども、そうじゃない。自分の夢に足を踏み入れたいのならば、キャリアをジャングルジムのようにとらえ、横から昇ったり、下へ降りたり、時にはジャンプして飛びついたりすることが必要だ。場合によっては、ジャングルジムを離れて別のところに自分の基盤を打ち立てることもある」

すでに自分の周囲にあるものを活かし、自分が持つユニークな才能は何かを見極める。そして、自分に必要なスキルセットは何かといった問題を1つずつ解決し、正しくエネルギーを使うことを、ホフマンは教えてくれる。

まだ40代半ばのホフマンは、企業という環境の中で必要とされる、あらゆるタイプの仕事をこなしてきたという。シリコンバレーを、ただの絵空事でない方法で体験してきたわけだ。その彼が語る仕事論には、耳を傾けるだけの価値があると言っても大げさではないと思うのだ。

瀧口 範子 ジャーナリスト

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たきぐち のりこ / Noriko Takiguchi

フリーランスの編集者・ジャーナリスト。シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、政治、文化、社会一般に関する記事を新聞、雑誌に幅広く寄稿する。著書に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか? 世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』『行動主義:レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家:伊東豊雄・観察記』、訳書に『ソフトウェアの達人たち:認知科学からのアプローチ』(テリー・ウィノグラード編著)、『独裁体制から民主主義へ:権力に対抗するための教科書』(ジーン・シャープ著)などがある。

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