「数字が苦手」でも経理で活躍できる方法 「ニコイチ」の人材になって差別化を図る

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どんな仕事もそうですが、周りと差別化を図るための一番の近道は、王道を理解し、クリアすることです。つまり基本をキチンと押さえる、ということです。武道では「守・破・離」といった言葉がよく使われますが、仕事もそれに似ているところがあると私は考えています。

基本をキチンと押さえるというのは、まさに「守」の部分ですね。基本を押さえ理解しているからこそ、自分自身のやり方を構築できますし、周囲との差別化も図れるようになるのです。そしてそれを押さえたうえで、今度はどうやって周りと差別化を図るかですが、一番簡単なのは、周りがやらないことをやることです。

では一般的に経理がやらないこととは何でしょうか? 先ほど経理とは過去の集計屋である、と言いましたが、まさにそこに差別化のポイントがあると考えられます。

周りが目を向けないことをやる

つまり周りが過去の集計を仕事の中心としているのであれば、将来に目を向けてみるというのもアリなのではないでしょうか。では将来のことで経理に少しでも関係していることは何か。これはいろいろあります。

予算作成や資金繰り予測などもそうでしょうし、経理がベースとする財務会計ではなく、経営上の意思決定のベースとなる管理会計的な分野(厳密にはそこには予算も含まれますが)もそうでしょう。これらは、一般的に経営企画などの部署がやるような分野とも言えますが、いずれにせよ必ずしも経理といった仕事の範疇ではないものの、経理に密接につながりのある分野です。言い換えると、経理として学んできた基礎スキルは十分応用できるのです。

このように仮に過去の実績の集計がsakuraさんの勤務されている会社の経理部門のミッションだとすると、将来にかかわる分野の経営企画業務に軸足を移したり、または最初からそういった視点を持って他部署・経営陣への情報発信、コミュニケーションを取ることで、sakuraさんならではのポジションを構築されることは可能でしょう。

何を隠そう、上記は私自身がそのようにして自分の仕事の範囲を広げ、そして自分自身の差別化を図ってきた方法でもあります。もちろん上記は単なる一例にすぎません。

もっと簡単なやり方もあります。

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