東北電力・東通原発の敷地内に「活断層」 再稼働“不認可”も

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26日に東北電に反論の機会あるが…

規制委は、敷地内に存在する活断層が原発の安全性を損ねると判断した場合、再稼働は認めない方針だが、その判断は現在策定中の新安全基準に照らして行われる。また島崎氏は、活断層の規模や活動性を判断するため、敷地外の断層を含めてさらなる追加調査の必要性も示唆した。

12月26日には東北電に反論の機会が与えられる。活断層ではないと説得力を持って証明できるかが問われる。それができなければ、規制委の判断は覆りそうもない。

規制委は来年7月までに耐震設計基準を含めた新たな安全基準を法制化し、電力会社による原発(原子炉50基)の再稼働申請を受けて、その可否を判断する。安全性に問題があると判断されれば、申請を却下する。却下された電力会社は基準に適合するように対策(バックフィット)を行う。それによって再稼働が大幅に遅れるほか、十分な対策が打てずに廃炉となる可能性もある。

大飯は再調査、敦賀は廃炉の公算も

規制委の断層調査としてはすでに、関西電力の大飯原発と日本原子力発電の敦賀原発で実施されている。

大飯原発は評価会合で「活断層と考えても矛盾はないが、地滑りの可能性もある」と判断され、結論持ち越しで来年2月に再調査の予定。一方、敦賀原発は「2号機直下の断層が"浦底断層(大規模活断層)"と連動する活断層である可能性が高い」との判断で一致。田中俊一・規制委員長は「今のままでは再稼働は認められない」との認識を示しており、廃炉の公算が高まっている。

東通原発の場合は、直下ではないが、活断層であるとのコンセンサスであり、あとは活断層の規模と原発の耐震性をいかに判断するかにかかっている。

 

中村 稔 東洋経済 編集委員
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