スマホのフィルタリングはこんなに骨が折れる 膨大なパスワード設定に四苦八苦…
仮パスワードはすぐに使って不要になるのだが、それでも6つのアカウントとパスワードの組み合わせを、間違いなく記録しておかなければならない。適当にやっていると、どれがどれだかわからなくなること間違い無しである。
「安心アクセス」の設定の過程で、iPhone本体にはアプリの起動を制限する「構成プロファイル」がインストールされる。iPhoneの設定でも起動制限がかけられるのだが、そこをうまく設定できない保護者のために、強制的にSafariの起動を制限するものだ。同様の構成プロファイルは、EMA(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)でも提供している。
だが、Safariが起動できないと、保護者が管理するのにけっこう困るということがわかった。契約時には割引を適用するために、さまざまなサービスに加入させられるが、不要なものはユーザーが自分で解約しなければならない。これはWebサイトからも変更できるので、いちいち子供用のiPhoneを取り上げて設定する必要はない。
ないのだが、最初にPCからau IDにログインする時は、所有者確認のためにMMSにリンクが送られてくる。これをタップして認証すると、PCからのログインが認証される。だが、フィルタリング付きブラウザの「安心アクセス」しか起動できなくなっていると、リンクをタップしてもどこへも行けない。URLをコピーしてペーストしても、「URLが不正」としてアクセスできない。結局一時的にでも、Safariを起動しないわけにはいかないのだ。
これでは「なしでいいです」と言い出しかねない
だがiPhoneの設定で機能制限をオフにしても、Safariの起動は構成プロファイルの方で止められているので、起動できない。結局auの構成プロファイルを削除して、マニュアルでSafariをON・OFFできるようにしないと、保護者がリモートで子供の契約サービスをメンテナンスすることができないのである。
これまでは単純に、「フィルタリングがかかった状態での運用」しか見ていなかったが、まったくのゼロからやってみると、色々なところでほころびがあることがわかった。スマホの設定に詳しくないお母様だったら、もう訳がわからないだろう。これでは「フィルタリングなしでいいです」と言い出しかねない。
フィルタリングが子供のネットライフの助けになるということに関しては、疑う余地はない。だがその設定方法といった技術的なところに保護者教育の軸を向けるのは間違いで、それよりも子供のネットリテラシー育成のためのノウハウ共有に注力した方が、効果が高い。
もし今後もフィルタリングという技術を活かすのであれば、保護者が設定の主体にならなければならないという仕組み自体を変えていかなければならないだろう。
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