三菱自動車、変わらぬ隠蔽体質 リコールで不誠実な情報開示

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三菱自は2000年にリコール隠しが発覚後、04年に再びトラック・バス部門のリコール隠しが判明。信用失墜に加えて、04年4月には資本提携先のダイムラークライスラーから追加支援を打ち切られ、窮地に陥った。

過去の経験は生かされているのか

その後、三菱グループの支援が決まり、三菱商事出身の益子修氏が社長に就任。環境対応と新興国戦略の強化を軸に業績を回復させてきた。その矢先でまた起きたリコール問題は、再建において水を差した格好だ。大量リコールが明るみに出ることが大きな痛手になることは間違いないが、不誠実な情報開示姿勢こそが事態を大きくしたといえる。かつての経験が生かされているとは思えず会社の体質そのものは、いまだ変わっていない。

三菱自は13年3月末までに国交省から改善施策を提出するように指導を受けている。「具体的な」改善策を提示するとともに、誠実な姿勢を社会に示さなければ再建への道はまた遠のいてしまう。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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