岩田剛典「王子様キャラは今しかできない」 「植物図鑑」では甘いセリフに苦心も
キュンとする言葉だけでなく、植物オタクの樹は家事も万能。野草を使った料理で、身体も心も元気づけてくれる。
「今回、いろいろな方から料理の質問をされるんですが、申し訳なくなるくらい、最近は何もできていなくて。時間があるときは、得意なカレーを作ったりしていたんですけど。ひとり暮らしなので、当然、家事全般はやります。中でも、洗い物は得意。小さいころ、食べたあとの洗い物は兄弟と一緒にやっていたので、手際はいいと思います」
そう謙遜するが、作品の中で披露している料理シーンは、なかなかの腕前。
「料理人っぽく見える動きや仕草は研究しました。料理のシーンは、アップで使われているものも全部、僕の手。そのぶん、何回も作りましたね。腕が筋肉痛になるくらい。何テイクも炒め物をしたし、オムレツは50個くらい作りました」
逆にリアルな感じでいいのかな
作品を見ていてうらやましいと思うのが、樹がさやかのために作る、四季を感じる愛情あふれるお弁当。これまで、誰かにお弁当を作ったことは、ある?
「ないかもしれない。自分のためにもないです。この作品で作ったものが、初めて。学生のころは、母親が作ってくれたお弁当をよく食べていました。料理上手な母のきんぴらが定番で入っていた。今回、改めてお弁当っていいなと思いました」
今作の樹のように、料理のできる女性に惹かれると言う。
「一見、できなさそうなのに、筑前煮とか作れちゃうギャップのある人には、特に」
初主演映画で、初のお弁当作り。そして、さやかの誕生日には、初生歌の披露となるバースデーソングでお祝いするシーンが。
「確かに、僕の歌声が聴けます(笑)。なかなかないことなので、恥ずかしいです。あのシーンは、いま見ても緊張しているのが伝わってくる。それが、逆にリアルな感じでいいのかなと思って(笑)」
半年という期間限定の同居人であるふたりの距離は、時間を重ねるごとに近づいていく。それでも、樹はさやかに野草の話はしても、名前以外のことは秘密にしている。
「樹のバックボーンに共感できる部分はありました。1度きりの人生だから、自分の道を歩みたいっていう気持ちは、ひとりの男として純粋に理解できる。それに、自分自身をレベルアップさせるために時間を使うことは、まったく悪いことだとは思わない。でも、やり方次第ですよね。僕は、樹みたいな行動はとれないです」
お互い心にブレーキをかけながらも、あふれ出てしまう思い。そして……。この場面で見た、今作の中で特に印象に残るシーンのひとつが、三代目JSBの『C.O.S.M.O.S.~秋桜~』のミュージックビデオの場面と重なったことを伝えると、こんな返事が。