売上高2兆円目指す、ヤマハ発動機の勝算

新興国向け2輪車の成否がカギ

2輪車世界2位のヤマハ発動機は、12月18日、2013年12月期からの中期経営計画を発表した。17年12月期に売上高2兆円(12年12月期会社見込み比67%増)、営業利益1500億円(同5.4倍)とし、リーマンショック直前の07年12月期に記録した過去最高の営業利益1269億円の更新を目指す。為替レートは1ドル80円、1ユーロ105円を想定した。

成長の原動力とするのは、やはり主力の新興国向け2輪車事業だ。17年に1.2兆円(同1.8倍増)の売り上げを計画する。タイ・インドネシア・ベトナムなど稼ぎ頭のASEAN地域では、17年に600万台(12年420万台見込み)の販売を目指す。経済的な移動手段としてだけでなく、先進国同様にファッション性やスポーツ性を持った商品ラインナップも増やし、現地ニーズの多様化に対応する。

インドや中南米での拡販にも本腰

インドでの販売拡大にも力を注ぐ。これまでヤマハ発動機はインドでのシェアは微々たるものだったが、17年に220万台(12年見込み40万台)の販売を目指す。スクーターなどのボリュームゾーンの品揃えを強化すると同時に、すでに着手している新工場の立ち上げや販売チャネルの充実に取り組むことで、急拡大を図る。またブラジル等の中南米での販売も拡大を目指す。

先進国の2輪事業やマリン(船外機等)、バギー、電動自転車なども、積極的な新商品投入により拡大を図る。採算改善を優先し、新商品開発を抑えてきた10~12年は、全事業で年間40モデル前後の新商品しか投入してこなかった。これが売り上げの伸びを抑制してしまったという反省から、13年には65モデル、14年90モデル、15年100モデルとリーマンショック以前の水準に回復させる計画だ。

コストダウン面では、2輪のプラットフォーム化とグローバル部品調達を推進する。プラットフォーム化することで、部品種類を削減、部品当たりの調達個数を増やし、世界の最適地から部品を調達する体制も整える。とりわけコスト削減のカギとなる重要部品では、調達先の部品メーカーの数を、現在の400社から17年には200社に絞り込む。

また、世界各拠点での開発能力も強化する。日本で基本プラットフォームを開発したあと、直ちに現地でバリエーションモデルの開発に着手できるようにし、従来に比べ開発リードタイムの30%短縮を目指す。これにより、コストを抑えつつ、各地域の市場性にあった商品のラインナップの充実と、迅速な市場投入を図る。

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