「香港空港鉄道」の知られざる大成功の理由 改札なしで市内へ、無料シャトルバスも運行

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到着ロビーからホームへの間には改札がない。「10分おきに運転」の表示も見える(筆者撮影)

利用しやすくするための工夫は、まずは空港駅に見ることができる。一般的には乗車駅・降車駅の両方で改札口を通過することになるが、エアポートエクスプレスでは空港駅に改札はなく、空港から市内へ向かう際も、市内から空港へ向かう際も、香港市内中心部の九龍駅や香港駅でのみ改札を通過する仕組みになっている。IC乗車券「オクトパス」を利用する場合も、香港市内側の駅で運賃が差し引かれる。

到着ロビーを出てから1~2分でホームに行くことができるため、無駄な移動距離もなく、スムーズに空港を離れることができる。到着ロビーを出て5分後には電車に乗っているということもここでは珍しくないのだ。

無料バスや地下鉄無料サービスも

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エアポートエクスプレスの車内(筆者撮影)

さらに観光客にとってありがたいのが主要ホテルへの無料シャトルバスサービス。九龍駅及び香港駅から無料のシャトルバス(路線によって12~20分間隔)が出ているのも便利である。

ほとんどの主要ホテルもしくは周辺に停車し、大きな荷物があってもタクシーに乗らずにホテルへ向かうことができるようになっていることから、パッケージツアー商品であっても、送迎バスではなくエアポートエクスプレスの乗車券をツアー参加者に渡して旅行者自身で移動するコースも珍しくない。

また、シャトルバス利用ではなく、九龍駅・香港駅からMTR(地下鉄)へ乗り換える場合も「オクトパス」利用であれば、九龍駅や香港駅から先のMTRが無料となるサービスも行っている。

空港駅から九龍駅までは片道90香港ドル(約1300円)、香港駅まで片道100香港ドル(約1450円)かかるが、空港からの当日の往復利用であれば、IC乗車券利用もしくは駅で当日往復の乗車券を購入すると片道分の運賃で往復できる。

これは、香港での乗り継ぎ時間を使って香港のグルメや観光を楽しみたい時に使える。筆者も香港での乗り継ぎの際にあえて乗り継ぎ時間を長くして、片道分で往復できることで利用できる特典を活用して香港市内で飲茶を楽しんでから再び空港に戻って、日本への便に乗ったこともある。

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