「香港空港鉄道」の知られざる大成功の理由 改札なしで市内へ、無料シャトルバスも運行
エアポートエクスプレスの特徴の一つはインタウンチェックイン(シティチェックイン)だ。キャセイパシフィック航空、ANA、JALなどのフルサービスキャリア各社及びLCCの香港エクスプレスは、香港駅・九龍駅にチェックインカウンターが用意されており、チェックイン及び荷物を預けられるようになっている。キャセイパシフィック航空では出発前日から便出発90分前まで、ANA、JALでは出発当日朝から便出発90分前まで手続きが可能となっている。
日本では2001年のNY同時多発テロ以降、東京シティエアターミナル(東京・箱崎)での搭乗手続きや手荷物の預かりなどのサービスが廃止されてしまったが、駅でチェックインを済ませ、荷物を軽くして市内で過ごしてから空港に向かうこともできるインタウンチェックインは、空港で重い荷物を持ったり、チェックインのために並んだりする必要がなく、スピーディに飛行機に乗ることが可能であり、ビジネスパーソン、観光客共に好評である。
香港出発時も快適!
エアポートエクスプレスには、市内から空港に向かう際にも無駄な移動を少なくする工夫が見られる。
香港国際空港は、キャセイパシフィック航空、ANA、JALなどフルサービスキャリアが中心に使用する第1ターミナル、そして香港エクスプレス、ピーチ、バニラエア、ジェットスター・ジャパンなどLCCの多くが使用する第2ターミナルに分かれている。
両ターミナルは、エアポートエクスプレスの空港駅を挟んで隣接しているが、空港駅では両側の扉が開き、左側は第1ターミナル、右側は第2ターミナルに向かう人の降車口になっており、どちらのターミナルでも空港駅到着から数分で各航空会社のチェックインカウンターへ行くことができる。この点においても評価が高く、LCC利用者にとってもエアポートエクスプレスは使いやすくなっている。
このように飛行機を利用する人がストレスフリーで使える工夫が多く見られるのが香港のエアポートエクスプレスだ。もちろん路線バスを利用した方が半額以下で安く移動できるが、それでも片道1500円弱程度かかるエアポートエクスプレスを選ぶ人が多いのも納得である。
終日10分間隔で待たずに乗ることができ、到着ロビーから改札なしですぐに乗車可能、そして無料シャトルバスやインタウンチェックインなど、利便性の高いエアポートエクスプレス。例えば空港駅の改札をなくすような仕組みは、途中の停車駅がない京成スカイライナー(京成上野・日暮里~成田空港)でも改札口に工夫を凝らすことで決して不可能ではないだろう。日本の空港アクセスにおいても、香港には学ぶべきところが多いのではないだろうか。
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