稼げるフィナンシャルプランナーの条件 【キャリア相談 Vol.3】

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税理士があればリスクヘッジに

FAや金融機関側からの発想ではなく、世の中の顧客側のニーズで考えてみますと、最近ではそこそこの資産を保有する個人に対する1)資産形成、2)相続等の税務、3)オーナー企業の事業承継といったサービスが必要とされています。

1)においては先述のように営業側と顧客のインセンティブが合わないこともありますが、会社のカンバンが使えて商品ラインナップの豊富な大手金融機関にいることが強みとなります。

2)や3)について、こんな人がいたらいいなベースで考えると、税理士が資産形成の為の金融商品に関する知識を持っていて、加えて相続問題や事業承継についても詳しいといった形になります。

FAの知識に税理士資格が加わるとツブシが利くので、時間とやる気があるならチャレンジするのも良いと思います。業務独占資格である税理士資格を保有して営業力があると、独立してファイナンシャルプランナーになっても稼ぐことができます。顧客の収入と資産の全体像を税務から把握し、資産運用の提案を出来るのは強みです。隠れ富裕層である中小企業のオーナー等が潜在顧客となるでしょう。高齢化社会の中で、資産管理だけでなく、相続、事業承継に関するアドバイスはますます必要とされます。

いろいろと申し上げましたが、「営業力」さえあれば、一般顧客から富裕層、そして機関投資家と資産規模の大きな顧客にシフトしてビジネスをするべきですし、当たり前すぎて申し訳ないですが、営業力に自信があって年収を上げたければ、歩合の大きい金融機関に移るのも一案です。そんなにガツガツ営業をする気がないのであれば今の会社にとどまるべきですし、何かあった時に備えて手に職が欲しい場合は、税理士資格があればリスクヘッジになるでしょう。

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塩野 誠 経営共創基盤(IGPI)共同経営者/マネージングディレクター JBIC IG Partners 代表取締役 CIO

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しおの まこと / Makoto Shiono

国内外の企業への戦略コンサルティング、M&Aアドバイザリー業務に従事。各国でのデジタルテクノロジーと政府の動向について調査し、欧州、ロシアで企業投資を行う。著書に『デジタルテクノロジーと国際政治の力学』(NewsPicksパブリッシング)、『世界で活躍する人は、どんな戦略思考をしているのか?』(KADOKAWA)等、多数。

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