豪ドル債券型ファンド、過去最大級の流出 豪ドル人気は今後も続く?

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投信情報サービスを提供するリッパー(トムソン・ロイターグループ)が、主として豪ドル建ての債券に投資を行うリッパー分類【債券型 豪ドル】に属するファンドについて、足元2012年10月の純設定額(設定から解約を引いた額)を集計した。

集計によると、マイナス1,245億円という過去最大級の流出幅となったことが分かった。なお、同分類に属する豪ドル債券型ファンドの本数は10月末時点で計41本、純資産残高は前月比約759億円減の約3兆6,893億円と、3カ月連続で減少している。国内投信市場が一気に冷え込んだ2008年のリーマン・ショックの時でさえも安定した資金流入を誇っていただけに、分類全体で1,000億円超の純流出というとやはりインパクトが大きい。

個別ファンドに着目してみると、9月に約4年半ぶりとなる月次分配金の引き下げ措置が取られた「短期豪ドル債オープン毎月分配」(大和住銀)のほか、10月に同じく減配となった「ハイグレード・オセアニア・ボンドオープン」(大和)からの流出拡大も響いた。また豪ドル債券型は、多少の浮き沈みがありながらも着実にプラスのリターンを積み重ねてきたことから、ここにきて利益確定のための解約が相次いだという見方もできる。

いずれにせよ、資源国通貨の豪ドルは日本の個人投資家が最も好きな外貨であると言っても過言ではない。ここ数年に関しては消去法的に投資対象通貨として選ばれている側面もあるが、投資信託以外の金融商品でも依然として豪ドルの人気は高い。中でも豪ドル債券型の投資信託は、ファンド間の運用成績のばらつきが比較的少ない分類でもあるため、リーマン・ショック後に加速した過度な分配偏重に落ち着きが出れば、再び資金流入に転じる可能性は高いだろう。

(協力:リッパー・ジャパン)


 

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