舛添知事を辞任に追い込むのは意外に難しい 世論は強く舛添知事の辞任を求めているが・・・

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3つ目の方法が地方自治法第100条に基づく百条委員会。正当な理由なく証言を拒否した場合は6カ月以下の禁固刑や10万円以下の罰金を科せられ、虚偽の証言をした場合は3カ月以上5年以下の禁固刑に処せられるという厳しいものだ。徳洲会グループからの5000万円授受問題を追及された猪瀬直樹前都知事は百条委員会の設置が決まると、その翌日に辞意を表明している。

今回も百条委員会については、すでに共産党都議団はその設置を提唱。自民党と公明党はこれには消極的だが、その理由について前述の与党の都議がこう語る。

「百条委員会は違法性を追及するところであって、ダークかどうかを判断するところではない。政治資金の使途については極めて判断が難しく、違法だと断言することは困難だ」

潔白を証明する手段として百条委員会を使う?

確かに主な論点は「知事の資質」の問題になっており、これは違法性の問題であるとはいいがたい。

百条委員会設置には、さらに危惧すべき点が出てくるという。すなわち舛添知事が、これを逆手にとる危険性が出てくるというのだ。

「舛添知事は頭がいいから、わざわざ百条委員会に飛び込んでくる可能性もある。百条委員会は法的な違法を判断するところだから、その証明ができなければ、知事は『シロ』になってしまう。すなわち自分の潔白を証明する手段として百条委員会を使う可能性だ。そうなれば我々としてもどうしようもない」

実際に5月27日の定例会見で、「百条委員会が設置されたら応じるのか」という質問に、舛添知事は目を見張ってすぐさま「議会の決定に従う」と答えている。

この後の都議会は、7日に代表質問、8日に一般質問が行われ、9日から13日まで常任委員会審査が続く。このまま知事に居座ることを許せば、有権者の怒りは都議会に及びかねない。「総務委員会で舛添知事を参考人として招致し、徹底的に疑惑を追及していく」と、前述の与党の都議は述べる。果たして通常の委員会で、舛添知事を辞任までに追い込むことはできるのか。

2014年の都知事選で、他に適任と思われる候補がいなかったために舛添氏を担いだと言われる自民党と公明党。その“製造責任”は現在、あまりにも大きく彼らにのしかかっている。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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