舛添知事を辞任に追い込むのは意外に難しい

世論は強く舛添知事の辞任を求めているが・・・

所信表明の後、記者団に対して都議会自民党の宇田川聡史幹事長は、「説明責任を果たしてほしいと思っていたが、果たされたとは認識していないし、納得もしていない」と苦渋の表情で語り、都議会公明党の長橋桂一政務調査会長も「全く不十分で、言語道断だ」と怒りを隠さなかった。

実際にある与党の都議はこう打ち明ける。「我々とて、舛添知事には速やかに辞任していただきたいと願っている」。

しかし舛添知事が自発的に辞任する可能性は、冒頭で述べた通り、今のところゼロだ。

知事自らの辞任がなければ、制度でもって辞任させるしかない。

その方法は3つある。まずはリコール。法定数分の有権者の署名を集め、選挙管理委員会に届けると、60日以内に住民投票が行われる。東京都の場合は約146万7000人分の有権者による署名が必要だが、これを代表者が選挙管理委員会に届けた当日から2か月以内に集めなければならない。このハードルはとても高く、これまで知事でリコールが成立した例はない。

さらに障壁になっているのが参院選だ。地方自治法は国会議員、地方議員、首長が任期満了を迎える60日前からのリコールの署名集めを禁止しているが、改選を迎える参院議員の任期満了日は7月25日なので、すでに禁止期間に入っている。リコール活動を行うにしても、次期参院選の後まで待たなくてはいけない。

不信任決議で首を取ることは困難

次に議会による不信任決議がある。議員総数の3分の2以上が出席し、その4分の3以上の賛成でもって、不信任決議案が成立。不信任決議を受けた知事は10日以内に議会を解散するか、解散しないまま10日を経過すれば失職するというものだ。

これには野党である柳ヶ瀬都議は賛成するが、与党はこれに消極的だ。「それでは舛添知事に解散権を与えることになってしまうが、いま都民は都議会の解散を求めていない」というのがその理由だというが、与党として知事の不祥事に巻き込まれたまま選挙をしたくないというのが本音だろう。

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