自動車業界はソーシャルで大きく変わる 日産再生を担った米セールスフォース・ペラタ氏に聞く
――自動車業界のエコシステム(生態系)がソーシャルメディアによって大きく変わっていく、と説いています。
なぜエコシステムという表現を使っているかといえば自動車業界というものは完成車メーカーだけでなくサプライチェーン、関連業界を合わせ、非常に複雑なものになっているからです。
たとえば自動車を買う場合について回るものとして自動車保険、自動車ローンがあります。自動車保険は自動車がなければ存在しないわけですから完全にエコシステムの一部です。ディーラーも単にクルマを販売しているだけでなく、自動車業界のバリューチェーンの一環をなしている。また自動車メーカーのマーケティング部門はきわめて大きな金額を広告宣伝に費やしている。マーケティング部門と広告代理店が密接に連携を取り合うことによって成り立っています。
自動車がネットワークへ容易に接続可能に
今、あらゆる業界で起きている変化は、ソーシャルメディアの台頭です。自動車業界にも、ソーシャルメディア革命が襲っています。自動車は、これまで以上に容易にネットワークにコネクト(接続)することができるようになった、ということです。
――具体的にどのようにつながっていくのでしょうか。
自動車がネットワークへ接続する方法は3種類あります。1つはクルマに乗る際にドライバーがスマートフォンを持っていてその場で地図アプリを利用する、あるいはクルマの中で付属のカーナビを使うというたぐいのものです。この場合には生成されるデータは3G回線などを通じて通信会社や地図アプリを作っているグーグルなどに蓄積されていきます。
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