ロンドン起点で描く、スカイプの成長戦略

創業10年目の誓い(最終回)

個人的な経験になるが、以前残業に追われていたとき、息子がスカイプでビデオ電話をかけてきたときは、空気が和らいだ。スカイプはこうしたwonderfulな体験を積み重ねている。世界を変えた技術革新はペニシリンやアポロ11号などがあるが、スカイプはそれらに匹敵する体験を提供している。

我々はこの3つの理念を同時に実現することで、他社と差別化できると考えている。例えばグーグルはuniversalでusefulだが、wonderfulな体験を提供していない。またアップルはusefulでwonderfulだが、universalではない。スカイプは南アフリカの人たちでも使うが、南アフリカの人たちの多くはアップルの商品を使わないだろう。

同じ無料通話サービスを行う競合との比較では、マルチプラットフォーム対応を意味するuniversalの理念、さらにはオーディオとビデオの質にスカイプの優位性がある」

自然災害時の連絡手段としても有用

スカイプのブランド価値はビジネス上の取り組みに限らない。ブラモール氏は象徴的な2つの事例を上げた。

「スカイプは自然災害の連絡手段でも役に立つ。今年10月末に起こったアメリカのハリケーン・サンディや、過去にはハイチや日本の大地震において、スカイプは家族と連絡を取ったり、被害状況を知るのに役に立った。また10年からSkype in the classroomという会員向けの教育コミュニティサービスを始めている。

Skype in the classroom は、実際に教育現場で教鞭をとる先生の意見を取り入れながら生まれたコミュニティーで、このツールを使うことによって、他の先生と協力しながら授業を進めることができたり、パートナーとなるクラスや教室に招くゲストスピーカーを見つけたりすることができる。

このような社会貢献としての取り組みを行っていることも、上記3つのブランド基盤に加えた、スカイプのブランド価値と言えるだろう」

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