サトノダイヤモンド、ダービー制覇ならず!

上場企業の馬オーナーにはどんな人がいる?

その最たる例は、2005年のディープインパクト号の活躍と、同馬を所有する金子氏が率いる図研の株価の動きだ。2004~2006年にかけて活躍したディープインパクト号は、2004年のデビューから無敗のまま3歳馬王者を決める日本ダービー(2005年5月29日)を圧勝。日本競馬史上10頭目の無敗のダービー馬となり、その年の秋には無敗の3冠馬(3歳馬のみが出走できる皐月賞、日本ダービー、菊花賞の3つのGIレースを勝った馬)となった。

図研の株価はディープインパクト号が成し遂げた快挙に反応。日本ダービー翌日に前営業日比で一時7%を超える上昇を見せ、日本ダービー直前の終値から6月末にかけての上昇率は約15%に達した。この間の日経平均株価の上昇率が3.5%であるから、ディープインパクト号の活躍に対する株式市場からの“ご祝儀”が株価を押し上げたと見ることができる。

当然のことながら、株価を動かすのは業積の良し悪しである。大馬主の上場企業経営者トップ3人が率いる3社の今期(2017年3月期)の業績見通しを見ると、野田氏が率いるオービックは、マイナンバー制度の特需という“運”も味方につけて、本業のもうけを示す営業利益は277億円と過去最高になる見込みだ。

一方、里見氏が率いるセガサミーHDは遊技機市場の縮小などで低調だ。今期の営業利益は200億円と増益を見込むが、利益水準は過去最高を記録した2006年3月期(1191億円)の2割にも満たない。浮上のきっかけとして期待された“カジノ法案”の国会審議もたな晒しの状態で、なかなか“運”を味方につけられずにいる。

今回栄冠を手にした金子が氏率いる図研は、前期に業積が大きく落ち込んだが、今期は営業利益が前期比93%増の15億円になる見通しで、ピークだった2008年3月期(28億円)の5割強の水準まで復調する見込みだ。直近1年間の3社の株価はオービックが15%上昇。図研は9%の下落にとどまるが、セガサミーホールディングスは30%も下落している。30日以降の株価はどうなるだろうか。

里見氏は6月5日のGⅠでリベンジなるか

今回は勝利を逃したサトノダイヤモンド号だが、これからもGIレース制覇のチャンスはある。それに里見氏は他にもGIタイトルを狙える所有馬がいる。例えば、6月5日に行われるGIレース「安田記念」(東京競馬場)にも有力馬のサトノアラジン号を送り出す予定だ。里見氏がGIタイトルを手にすれば“運”が付いて、今度こそセガサミーHDの業況や株価も上向くかもしれない。

さらに、上場企業に関係が深い馬主は数多くいる。例えば、駐車場開発・運営のパーク24を率いる西川光一社長とその母・西川恭子氏、美容サロン経営のエム・エイチ・グループの創業者で元会長の青山洋一氏、地図のゼンリンを築いた故・大迫忍氏の妻・大迫久美子氏らは馬主として知られている。

この中で今年の活躍が目立つのは青山洋一氏で、同氏所有のジュエラー号は4月10日に行われた3歳牝馬限定のGIレース「桜花賞」(阪神競馬場)を見事に制覇した。ジュエラー号はレース後に骨折が判明したが、幸いにも症状は軽く、秋には復帰できる見通しだ。

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