TPP法案、米議会での年内採決が絶望的なワケ カギ握るクリントン候補の態度が微妙

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ワシントンの米国議会。TPP批准はいつになるのか? (写真: Tanarch / PIXTA)

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米議会でのTPP(環太平洋経済連携協定)批准に向けたハードルが上がっている。上院院内総務を務める共和党の重鎮ミッチ・マコーネル氏と大統領選の民主党最有力候補であるヒラリー・クリントン氏が共に、TPP法案の審議について、11月の大統領選後から来年1月の新議会開会までのいわゆる「レームダック(死に体)」期間に行うとの見方を否定したためだ。

マコーネル氏はこれまでTPP法案の採決について、大統領選前という時期についてだけ否定していた。ただ農業関連メディアのインタビューでは下記のように述べ、レームダック期間を含む年内の採決にも否定的な見方を示した。「TPP法案を通すための政治的環境は、私が上院議員になってから最も悪い。年内の採決は絶望的だ」。

大統領選で誰が勝利しようと、TPP法案採決の時期を決める権限はマコーネル氏にある。彼はTPPの条項に重大な変更でもないかぎり、年内の採決については阻止するつもりだとほのめかしている。

クリントン氏のTPP反対は「建前」?

一方のクリントン氏も、労働組合などによるアンケートへの回答で、TPP法案についてこう述べた。「私は反対する。それは大統領選の前であろうと後であろうとだ」。これはレームダック期間中の採決に否定的な見方を示したことになる。

仮にクリントン氏が大統領選に勝てば、クリントン氏の意に反してTPPに賛成するつもりだった民主党員の多くも、次期大統領の邪魔をすることをためらうはずである。

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