国会TPP審議を止めた「真犯人」は誰なのか 衆院補選を前に与党も止めたかった?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
4月7日午後、民進党・玉木雄一郎議員の質問に笑顔を見せる西川公也・衆院TPP特別委員会委員長。左は安倍晋三首相(写真:毎日新聞社/アフロ)

自民党と民進党は4月13日、8日から中断していた衆院TPP特別委員会の審議を15日に再開することで合意した。14日には衆院本会議が開かれて国会が正常化し、20日には今国会最初の党首討論が行われる。

審議再開の条件として民進党は、西川公也衆院TPP特別委員会委員長の謝罪を要求した。これに対し、自民党は西川委員長に口頭で公正な議事運営を約束させることを提案。とりあえず両党は折り合った。

この「西川TPP問題」の顛末については後段で詳しく見ていくとして、驚かされるのがこの審議中断を経て永田町の空気が一気に変わったことだ。京都3区と北海道5区の衆院補選が公示された12日から、国会はすっかり政局の空気に満ちている。毎日新聞は「安倍晋三首相は参院選に合わせて衆院選を行う衆参同日選挙を視野」と書き、読売新聞も自民党幹部が同日選の可能性に言及していることを報じている。

「TPP法案見送り」報道の衝撃

そのような中でさらに永田町に衝撃をもたらしたのは、政府与党が今国会でTPP法案の成立を見送る方針と報じた13日付の読売新聞だ。

「読売新聞は民進党の味方なのか!」

自民党のある議員はこう叫んだ。今国会内でのTPP法案成立を諦めることは、野党に屈するということを意味する。だが、もともとTPP法案の今国会内での成立は、スケジュール的に厳しかった。

次ページ政府の当初の目論見は?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事