マイクロソフトには、越えるべき「谷」がある 素晴らしい長期ビジョンを現実化するには?
会話によるコミュニケーションは今、もっともホットな領域だ。マイクロソフトの「Cortana(コルタナ)」、アップルの「Siri(シリ)」などのパーソナルアシスタントには、さまざまな可能性が広がっている。それぞれのアシスタント機能が認知できる範囲で、利用者の意図を会話の内容を分析して探り、確からしい答えや質問を導き出せるからだ。
コルタナが認知し、アドバイスに応用するのは、あくまでも自分のコンピュータに集まってくる情報のみだが、こうした会話によるユーザーインターフェースがプラットフォームとして提供されれば、もっと可能性が拡がる。マイクロソフトが掲げた「Conversations as a Platform」が意図するのは、マイクロソフトが提供するプラットフォームとパートナー各社のアプリケーション、サービスが接続することで、新しい時代の社会インフラを担うことだ。
あらゆるコニュニケーション手段で「会話」を
そのために、彼らは「Conversation Canvas」という考え方を持ち込んでいる。これは「会話を展開するキャンバス」という意味で、パーソナルアシスタントもそのひとつ。これは、使用できるコミュニケーション手段を限定していない。メッセージングアプリではマイクロソフト傘下にあるSkypeだけでなくLINEでも使える。メールやSMSなど、どんなコミュニケーション手段でも構わない。
少し長くなるが、その具体例を紹介しよう。
まずSkypeに「来月、第2金曜日の夜から、三日間、京都駅前に泊まりたい」とテキスト入力する。このテキストを分析し、Cortanaは京都駅近くのホテルをオススメしてくる。
そこでCortanaに「オススメのホテルを予約してほしい」と返答すると、過去の履歴から適していると思われるホテルをオファー。ホテルが提供しているBot(ボット:対話型の問題解決システム)にバトンタッチする。
ホテルが提供するBotが介入できるのが、Conversation Canvasのポイントだ。ホテルが提供する(すなわち、ホテルに関してエキスパートの)Botが、部屋のタイプや宿泊人数などをユーザーに確認し、いくつかのリクエストを受け付けた上で部屋の予約を終えるところまでをサポートし、その後、Cortanaにバトンを戻す。
するとCortanaは「京都には友人が住んでいますが、連絡しますか?」と尋ねてくる。もちろん、ここで断ってもいいが、そのままSkypeで友人に連絡を取って予定を合わせたとしよう。すると、今度はSkype上のスレッドでCortanaが「レストランを予約しましょうか?」と尋ねてくれる。気に入ったレストランを提案してくれたなら、じゃあ予約してねとCortanaにお願いすれば、オンラインでの予約が完了する。
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