JR九州「或る列車」でシンデレラ気分を満喫! 水戸岡鋭治氏が細部にこだわった"豪華列車"

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日田駅では「或る列車」が入線するところから見守った。元々は四国を走っていたディーゼルカーのキハ47形がこんなキラキラとした美しい姿に生まれ変わろうとは、こちらはこちらで、まるでシンデレラストーリーである。

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2号車の個室。窓はすだれ、障子、カーテンと3種の光の加減を選べる(筆者撮影)

後から知ったが、水戸岡さんもこの列車をシンデレラになぞらえて「黄金の馬車」と呼んでいるとか。この黄金の馬車に乗れば誰でもシンデレラになれる。ドレスコードはないが、一応それなりの服装をしていって良かった。これから約2時間半の間だけ、お姫様気分に浸ろうと思う。

予約が取れたのは2号車雪見障子個室の2名席。組子の繊細な作りがとても見事だ。これはななつ星でも使用されている、釘を全く使わない技術だとか。

アテンダントさんが手でベルを鳴らす。それが発車の合図だった。なんて優雅なのだろう。自然とお姫様スイッチが入る。

ステンドグラスが輝く車内

酔っ払う前に車内を見ておこう!とカメラを持って1号車へ移動。そういう考え方自体、すでにお姫様ではない気がするが許してほしい。

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ステンドグラスが美しい1号車。左は厨房、奥がテーブル席(筆者撮影)

ステンドグラスの壁沿いに入ってみると、そこは2号車の和風で落ち着いた作りとはまた違う、洋風でゴージャスな部屋となっていた。照明や格子の天井は、ななつ星で使われたものと同じ。この時は気付かなかったが、天井の四つ葉のクローバー模様のいくつかだけが、三つ葉と五つ葉になっているとか。「或る列車」のマークなどもそうだが、水戸岡さんの遊び心があちらこちらに見受けられる。

席に戻るとすでに1品目が置かれていて、食べ始めた頃にスープが来た。飲み物はフリードリンクなので、お酒もソフトドリンクも好きなだけ頼むことができるが、お酒は宮崎・都農ワインのスパークリング・白・赤ワインの3種のみ。

料理は東京・南青山のレストラン「NARISAWA」のオーナーシェフがプロデュースし、食材は九州の旬のものが使われている。食器も全て九州の名工がオリジナルを製作しているとのこと。よく見るとカトラリーには焼印でハートマークが、グラスやカップには「或る列車」のマークが透かしで入っていたりする。思わず欲しくなってしまうデザインだ。

しかし残念ながら、食器類はおろか、「或る列車」にはグッズが一つも売っていないのであった。売られていないのは水戸岡さんの意向ではないらしい。

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