2位が首位にTOB ゴルフ場2強が対決 PGMがアコーディアに「敵対的買収」

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5割のプレミアム

そうした経緯を経てのTOBだけに「遺恨試合」の色彩が濃い。

TOB価格は8万1000円。15日終値比で52%も高い。M&A実務に詳しい服部暢達・早稲田大学大学院客員教授は「5割のプレミアムは魅力。敵対的であるかではなく、株主が経済合理性で判断するケースとなれば望ましい」とする。

翌16日、週明け19日のアコーディア株はTOB価格にサヤ寄せする形で連続ストップ高。だが、20日はTOB価格の手前で反落した。

実はこのTOBは上限があり、応募が株式所有割合50・10%相当の52万4105株を超すと、応募株数に対し按分比例での買い付けになる。

その場合、TOBで売りたくても売れない株主が出てくる。目的が経営統合である以上、売り逃した株は統合新会社の株か、PGM株との交換を求められる可能性がある。

神田社長は「66・7%を超えると全部買い付ける義務が発生する」と説明。50・10%でも買収資金は424億円。PGMは自己資金80億円に加え、平和からの融資で調達する予定。取得する株式は経営権奪取に必要な最低数に済ませ、資金負担を抑えたいとの意図があったようだ。

アコーディアが取れる手段は限定的だ。ホワイトナイト(買収を仕掛けられた企業にとって友好的な第三者)、ポイズンピル(敵対的買収時に行使できる新株予約権などをほかの株主に付与)といった防衛策はあるが、実現性は不透明だ。

市場関係者からは、「トップ2強が仮に合併すれば、競争力はより強化され、安定的キャッシュフロー創出力の強化が期待できる」(SMBC日興証券の中西貢三・クレジットアナリスト)との声が上がる。

アコーディアがTOBに意見表明する期限は11月30日。不賛同が濃厚だが、対抗策を見極めるまで、株価が揺れ動く状況は続きそうだ。

(撮影:今井康一) 

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

(週刊東洋経済2012年12月1日号)

大滝 俊一 東洋経済 記者

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おおたき しゅんいち / Shunichi Otaki

ここ数年はレジャー、スポーツ、紙パルプ、食品、新興市場銘柄などを担当。長野県長野高校、慶応大学法学部卒業。1987年東洋経済新報社入社。リーマンショック時に『株価四季報』編集長、東日本大震災時に『週刊東洋経済』編集長を務め、新「東洋経済オンライン」発足時は企業記事の編集・配信に従事。2017年4月に総務局へ異動し、四半世紀ぶりに記者・編集者としての仕事から解放された

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