アコーディア・ゴルフは次の成長の柱を模索 ストップ高TOB企業の実力

拡大
縮小

TOB開始初日でもある翌16日のアコーディアの株価は、当然ながら、ストップ高となる6万3200円まで急伸。この日は、TOBを仕掛けた側のPGMの株価も一時ストップ高となる7万4200円をつけた(終値は前日比5300円高の6万9500円)。

ツレ高となった形のPGM株はともかく、アコーディア株は週明け19日以降も、ひとまず8万1000円をつけるまでは、急騰が必至と見られる。ただ、今回のPGMによるアコーディアのTOBは、PGM側からアコーディア側にいっさい事前協議がなかったという「敵対的TOB」の格好となったため、TOB期間(11月16日~2013年1月17日)の間には、ホワイトナイトの模索などを含むアコーディア側による対抗措置が繰り出される可能性もあり、まだ一波乱も二波乱もありうる。

8万1000円というTOB価格が本当に妥当なのか。高すぎたり安すぎたりはしないのか。それを株主が判断する大きな材料の1つが、アコーディアの足元の業績と今後の成長性だろう。

神田社長は「経営統合まで見届けたいならTOBに応募しない選択肢もある」と説明したが、「PGMとくっつくよりも、アコーディア単独での成長のほうが魅力的だから、応募しない」という選択肢もあるからだ。特に、今回のTOBをきっかけにアコーディアの株価が再評価されて8万1000円を大きく超えて推移するようだと、TOBに応募する動機が薄れる可能性もありうる。

アコーディアの業績はほぼ期初計画どおり

アコーディアの今13年3月期の業績は、今のところ会社側の期初計画にほぼ沿った形で推移している。中間期(12年4~9月期)の決算は、売上高(営業収益)が478億円(前年同期比6.4%増)、営業利益が70.7億円(同3.1%増)、純利益が36.7億円(同56.4%減)。東日本大震災の影響をもろに被った前年同期(11年4~9月期)に比べ、特別利益が縮小したため純利益はへこんだものの、売上高も営業利益も復調した。

次ページTDRと客単価逆転
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT