ダブル不倫6年で再婚!ある男女の「選択」 社会的に許されない、それでも突き進んだ

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「給料が良くて、話もそこそこ面白くて、DVなどはしない36歳、でしたからね。30歳前後のかわいい女の子たちが週替わりで遊びに来る、みたいな選び放題の状況でした。正直に言えば、気持ちが揺れましたよ。でも、彼女たちは条件がいい年上独身男として僕を見ているだけです。また結婚という枠の中にアジャストすることを求められる気がしました。それができるのであれば、前の奥さんと結婚生活を続けられたはずでしょう」

ダブル不倫という苦しい状況を一緒に乗り越えた裕子さんであれば、智弘さんに過剰な期待はしないことはわかっていた。そんな女性とは二度と巡り合うことはできない、と智弘さんは思った。

「前の奥さんは40歳目前で僕と離婚しました。女性にとって重要な時期を無駄にさせてしまったのです。恋愛で傷ついたというレベルではありません。さらにもう一人、30代後半の女性を不幸にしたら、僕は完璧な悪になってしまうでしょう。それは避けたい、と本能的に感じました」

「何かあったときに喪主をやりたい」

裕子さんと智弘さんは当初、結婚という形式にこだわっていなかった。子どもができない限りは事実婚という形で一緒に住み続ければ良いと思っていたのだ。しかし、2011年3月に東日本大震災を経験し、裕子さんは考えを改めたという。

「僕の身に何かあったときに自分がちゃんと喪主をやりたい、というのです。僕は寂しがりの彼女よりも長生きするつもりなのですが、彼女の気が済むようにしたいと思って入籍しました」

周囲の反応は想像以上に良いものだった。ダブル不倫の事実を知っても親交を続けてくれた友だちも、思いのほか祝福してくれたという。結婚は形式に過ぎないとはいえ、社会的にわかりやすい関係であることは確かだ。子育て中の兄夫婦は特に結婚を喜んでくれた。「離婚した後、恋人と同棲中の弟」では子どもに説明しにくかったのだろう。

ただし、長い不倫関係が残した傷跡は再婚で完全に癒えたわけではない。仕事仲間や友人と夜遅くまで飲むことも多い智弘さんを、自らはお酒を飲まない裕子さんは信用し切れていないのだ。

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