「貯蓄」はシンプルな公式を守れば簡単です 作っておくと便利なキャッシュフロー表

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さて、家計管理のセミプロクラスになると、自分でキャッシュフロー表を作って、長期的な資金繰りの見える化をはかる人もいます。

キャッシュフロー表とは、夫婦、子ども、あるいは同居している両親など家族構成を前提に置きつつ、夫婦で得る収入、生活費、住宅や自動車など大型支出の額、その他の支出額が年々、どのように推移していくのかを時系列で書き込み、収入と支出の差し引きで毎年、どの程度のキャッシュフローが得られるのかをシミュレートするものです。これを事前に作成しておくと、将来の資金繰りが把握しやすくなるため、資金不足に陥って自己破産するのを未然に防ぐための対策を講じることができます。

便利なシミュレーションツール

「キャッシュフロー表」というワードを入力して検索すると、ダウンロードできるサイトがあるので、それを利用しても良いでしょう。日本FP協会のサイトに行けば、キャッシュフロー表やバランスシートなど、さまざまな家計ツールをダウンロードできます。年間収支から貯蓄額なども自動計算してくれるので、便利です。

また、自分で細かくエクセルで入力するのが面倒だという人は、金融広報中央委員会の「知るぽると」というサイトを見てください。このなかに「生活設計診断」というシミュレーションツールがあります。これは、自分自身の年齢や子どもの教育プラン、収入や支出、老後の生活などについて必要な数字を入力すると、自動的にキャッシュフロー表を作成してくれるというすぐれものです。

ただし、この手のシミュレーションで良い結果が出たからといって、安心してはいけません。

だって、「予定は未定」なのですから。

キャッシュフロー表のとおりに事が進めば、誰も苦労しません。人生には必ず不測の事態が発生します。子どもが二浪してしまったり、親の介護費用の面倒を見ることになったり、あるいは自分が離婚したり……。当然、この手の事態に直面したら、当初思い描き、シミュレーションした人生設計に狂いが生じてきます。

こうした突発的な事態に直面しても大丈夫なように、強固な家計を築くためにも、出来るだけ早いうちから貯蓄を増やしておくことが大切なのです。

井戸 美枝 ファイナンシャルプランナー

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いど みえ / Mie Ido

神戸市生まれ。 関西と東京に事務所を持ち、年50回以上搭乗するフリークエントフライヤー。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新報社)、『知らないと損をする国からもらえるお金の本』(角川SSC新書)、『現役女子のおカネ計画』(時事通信社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)『親の終活、夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など著書多数(ホームページ​経済エッセイスト井戸美枝FBページ)。

 

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