ソフトバンク、「地味な好決算」に透ける課題 米スプリントに改善の兆しだが…

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――電力小売りはどのくらいの契約数か。再生エネルギーについては。

数はまだ小さい。数えるに足らない程度だが、一歩一歩増えている。再生エネルギーはインドで入札に勝って、大規模投資が決まっている。ライフワークになると思う。

――震災対応の投資は増やすのか。

東日本大震災で多くの人にご迷惑をかけた。われわれのネットワークがつながっていれば、助かった人が一人でも二人でもいたのではないかと責任を感じ、圧倒的な投資をしてきた。

熊本地震の被災地では、気球によって周辺を通信エリア化する対策を行った。写真は訓練時のもの(撮影:大塚一仁)

今回の熊本震災で一番早く全面復旧したのがソフトバンクだ。東日本大震災当時は900メガヘルツ帯(電波が遠くまで届きやすい「プラチナバンド」の帯域)の認可を受けていなかった。鉄塔が倒れたり、停電したりしても、上から電波を届けるために、気球に通信機器をつけて空から電波を送ることもやった。おそらく世界初ではないか。

移動中継車も他社の10倍くらいある。対策費が少ないのではないか、投資が少ないというのはまったくの勘違い。しかも大規模な障害(3万人以上・1時間以上に及ぶ障害だと総務省に届け出る必要がある)は一度もない。いかに真剣にネットワークを守っているか。世界で一番(ネットワークが)倒れていないのではないか。

iPhone「5s」を販売した理由

――基地局の停波数は4月16日にドコモ40、KDDI28に対して、ソフトバンクは199とけた違いだった。ソフトバンクは伝送路のダウンもかなり多かった。

そもそも基地局の数が圧倒的に多い。生き残っていた基地局の数という見方ならば、われわれのほうが多かったかもしれない。電波が飛ばない2.5ギガヘルツでたくさんの基地を持っている。900メガヘルツの許認可を得たのは数年前。だから基地局の数を増やすしかなかった。

――自動運転の開発会社に5億円投資した。

自動運転に小さな投資はしているが、大きな投資は時期尚早。

――ワイモバイルで、最新機種よりも画面の小さいiPhone 5sを販売開始した理由は。

ユーザーには色々な好みがある。女性とか、学生とか、小さく手の中に入る方がいいとか。つり革につかまって、片手で操作できる方がいいとか。特にワイモバイルは価格で勝負している。アップルと交渉し、販売できる権利を得た。

(撮影:梅谷秀司)

山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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