商品力の差が見えなくなってきている昨今、勝敗を握るのは英語によるセールス能力だということを、国の経済の9割弱を対外貿易に依存している韓国はいち早く見抜き、Sテストが普及したのです。結果、韓国のビジネスパーソンの英語力が全体的に底上げされました。
一方、貿易依存度が3割弱の日本は韓国のように切羽詰まっていないこともあり、いまだに990点満点、マークシートのLRのスコアをひたすら目指しています。満点を目指すのであれば、LRの990点ではなく、Sテスト200点、ライティング(W)テスト200点を加えた1390点を目指すべきでしょう。
日本企業はTOEICを過信している
990点を何回も取るよりも、1390点を1回取るほうがはるかに難しい。日本の企業はTOEICのLR試験を過信しすぎています。「990点は満点ではない。真の満点は1390点だ」と声を大にして言いたいです。
私は、これからは日本もSテストを重点的にやっていくべきだと思います。TOEICのLRSWテストの中で最も実用性が高いのは間違いなくSです。LRはまったく話せなくても満点が取れますが、Sは4技能全部ができていないと駄目。しかも、勉強をしていく中で国際ビジネスですぐに使える技能が備わっていきます。
Sテストは試験時間が20分とダントツで短いのも、忙しいビジネスパーソンにはぴったりと言えます。社員の真の英語力を測る上でもSテストが最も信頼できるものですから、日本の大企業でも、積極的に採用を検討してもらいたいものです。
以上ここまでお話してきたように、韓国に大きく英語力の差をつけられしまった日本。ここから巻き返しを狙うにはどうしたらいいのでしょう? その答えは日本の大学入試における英語の試験を根本的に変えること、また、企業におけるスピーキングテストの普及だと思います。
詳細は次回、韓国の例を参考にしながらお話していきたいと思います。
(構成:山本航)
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