「やりたくない」ことでも無理なく続ける方法 勉強、ダイエット…3日坊主で終わらせない
だからこそ、やる気、意志といった「感情」ではなく、「行動」をコントロールすることが大切です。そのために行動科学マネジメントでは、行動を3つの要素に分けます。
A→先行条件
B→行動
C→結果条件
専門的な用語では「ABCモデル」といいます。より簡単に説明すれば、A「~だから、~すると」B「~する」C「その結果、~になる」ということです。たとえば、「エアコンをつける」という行動には、A「暑いから」という先行条件があり、C「涼しくなる」という結果条件があります。つまり行動には、すべて先行条件と結果条件があるということ。この前後の2つをうまく利用すれば、行動を自由にコントロールできるのです。
「不足行動」と「過剰行動」
では具体的に、「ビジネス書を毎日読む」という事例で考えてみましょう。「自分磨きのためにビジネス書を購入したはいいけど、気づけば部屋の片隅で読みかけのビジネス書が埃をかぶっている」という経験のあるビジネスマンも多いのではないでしょうか。「読むぞ!」とやる気になった数日は読んでも、結局やる気がなくなると読まなくなってしまう。よく聞く、続けられない事例です。
では、「ビジネス書を読む」という行動に焦点を当てて、その続け方を考えてみましょう。行動科学マネジメントでは、行動を「不足行動」と「過剰行動」に分けて考えます。不足行動とは、回数を「増やしたい」行動のことです。反対に過剰行動は、「やめたい」行動のことです。このどちらかによって、続け方は変わってきます。
ここで挙げた「ビジネス書を読む」は、回数を増やしたい行動ですから不足行動です。不足行動を増やすには、まずその行動が“起こりやすい”先行条件を考えます。たとえば、ビジネス書を手に取る機会が増えれば行動も増えるでしょうから、「カバンにいつもビジネス書が入っている」「トイレにビジネス書が置いてある」などの先行条件が考えられます。まずは、どうすればその行動が起こりやすいかを徹底的に考え、その環境を整えることが大切です。
そして、ビジネス書を読んだ後にどんなメリットがあるか、ABCモデルのC「結果条件」も考えます。たとえば、ビジネス書を読んだ後、あなたにはどんなメリットがあるでしょう? 「高い満足感が得られる」「上司に報告すると、褒められる」などのメリットが挙げられるでしょう。その結果(メリット)を、強く感じられるようにすると、より行動を促すことができます。
たとえば、フェイスブックやツイッターなどで読んだ本の感想を挙げてみましょう。他者から見られることで自己肯定感・満足度が増し、次の行動を促すことができます。
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