マイクロソフト「サーフェス」の衝撃 日の丸パソコン崩壊?

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下位メーカーは苦境に

不協和音がさらに広がる種になりそうなのが、来年発売予定のインテル系CPUを積んだウィンドウズ8版のサーフェスだ。こちらはキーボードが着脱可能なことを除けば、ほぼパソコンそのもの。アプリケーションのインストールも既存のパソコンのように自由に行えるため(RT機はウィンドウズストアからのダウンロードのみ)、こちらが本命となる。当然のことながら、既存のパートナーのビジネスにはより大きなインパクトを与える。

バルマーCEOは10月9日、年次報告書内の株主への手紙の中で「マイクロソフトはデバイス(機器)とサービスの会社になる」と宣言。自社開発したハードウエア(デバイス)のラインナップは拡充される方向だ。タブレットからパソコン、スマートフォンへとその領域が広がれば、従来のパソコンメーカーの生存圏は必然的に縮んでいく。

グローバルに大きなシェアを誇るレノボ、HPなどは、まだ影響は限定的かもしれない。開発の初期の段階からマイクロソフトと密接に情報交換を行い、有利な形でハード開発を継続できるためだ。販売数量が多ければ、ボリューム効果により、マイクロソフト純正品と同等価格での販売も可能だろう。

それに対し、大きな影響を受けるのが、グローバル市場でのシェアが低いパソコンメーカーだ。つまり、日本のパソコンメーカーはすべて大きな影響を受ける可能性がある。アイフォーンやアンドロイド搭載のスマートフォンの勃興により、日本のガラパゴス携帯はあっという間に駆逐されてしまった。同じようなことがパソコン市場でも巻き起こりかねない局面なのである。

(撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年11月17日号)
記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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