ホテル買収劇、マリオット「競り勝ち」の裏側 スターウッド買収をめぐり、米中大手が激突
ホテル業界ではここ数年で、民泊のエアビーアンドビー(Airbnb)やエクスペディアなど、オンライン予約業者が台頭。とりわけ、オンライン予約サイトへの手数料の支払いは10%を超えており、頭の痛い問題なのだ。
こうした環境の変化に対して、各ホテル運営会社は利益貢献度が高い会員の囲い込みに躍起になっている。2014年末で「マリオットリワード」には約5400万人の会員、「スターウッドプリファードゲスト」には約2100万人の会員がいる。
巨大な会員情報を活用し、個々の顧客にカスタマイズされたサービスを提供すれば、新興勢力に対抗する有力な武器になる。
100万室を超える客室数
マリオットの場合、買収によって約30のホテルブランドを持つことになり、どう維持していくかが課題となる。この点については業界内でも、顧客層が重複するブランドを整理して不要なものは外部に売却するという見方と、膨大な顧客データに基づく行動分析から各ブランドがより細分化される、という二つの見方に分かれている。
いずれにしても、ブランド間の重複は避けられずに、ある程度の整理・売却が起こると考えるのが自然だ。
100万室を超える客室数を運営する巨大チェーンの出現は業界再編の号砲といえる。優良顧客の会員獲得が激化すれば、大手も数社程度まで淘汰される可能性がある。
客室数が数万室の中規模なホテル運営会社にとっても、特徴のないブランドを展開していれば、競争に敗れ身売りせざるをえない状況に追い込まれる。次に再編の俎上に載るのはどの会社か。
(「週刊東洋経済」5月14日号<9日発売>「ニュース最前線03」を転載)
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