韓国ヒュンダイが中国で狙う「大飛躍」の勝算 北京第3工場を核に年産100万台超へ
工場正門からは、2階建ての建物2棟をつなぐ横断橋が見える。そこを移動する車体の動きがおもしろい。塗装工場から塗装を終えた車体がコンベアに乗せられて組み立て工場に移動しているが、いろんな色に塗られた部品が動いていく様子は、まるでショーウィンドウの中に飾られた服を見ているようだ。2016年4月26日に訪れた中国・北京市北西部の順義区にある現代自動車(ヒュンダイ)北京現代第3工場の第一印象だ。
車体工場の中に入ると、プレスラインで自動車のドアやフードなどに使われるパネルが休む暇もなく引き出されている。これらの鉄製の部品は、現代ハイスコ、POSCO、新日鐵住金などから供給されたもの。5400トンの「トランスファープレス」ラインでは、見本通りに各部品が整形される。パネルは車体工場へ移されると、ほぼ全自動で溶接が行われる。溶接工場にある433台のロボットは、すべて現代重工業で製作された。
続いて、ドアやトランク、フード、サイドパネル、フロアなどの内・外板部分が組み立てられると、塗装工程で塗装され、外装工場でパワートレインをはじめ各種モデュールが装着される。製造を終えた車両は機能検査と走行テストを経た後、工場の出口に並ぶ。工場の周囲を歩いてみたが、耳障りな騒音はまったく聞こえなかった。
3月に人気ブランド4位に復帰
2015年、現代・起亜自動車は中国で苦戦を強いられた。中国内の合弁ブランドの販売台数ランキングでは4位から5位へ1ランク落とした。しかし、今年3月に前月比89%増の10万0549台を販売して4位に復帰し、前年から今年初頭までの販売不振を挽回中だ。
北京現代のクォン・ヒョクトン販売担当副総経理(専務)は「昨年は中国経済の成長鈍化と消費パターンの変化で、低価格の中国ローカルメーカーのSUVに押されて販売が振るわなかった。これが今年第1四半期(16年1~3月)まで続いていた」と打ち明ける。「今年3月に新型『アヴァンテ』、中国名『領動』の販売を契機に新車の販売に集中しており、第2四半期(4~6月)以降は販売も回復傾向に入った」と説明する。
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