Twitterがいつの間にか変わっていた ソーシャルから”マス”へ
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すみません。申し訳ありませんでした。「愛されたい!」とか、三十路過ぎの発言じゃないですよね。今は反省しています。
しかし、立場や年齢をわきまえないこんなツイートにも、当時はみんな、温かかった。このツイートは大量にRTされ、フォロワーが数時間で数千人増えたのだから。発言を批判されることもなく、面白がってもらえた。
当時のTwitterは、今と比べると圧倒的に人が少なかった。09年4月のTwitterのユニークユーザー数(Twitterを閲覧している人の数)は50万ほど。今は2000万超とも言われており、当時の40倍に激増している。当時、Twitterアカウントを持っていた登録ユーザー数はユニークユーザーよりもっと少なく、10万人前後ではないかと言われていた。ちなみに当時、mixiの登録ユーザー数は1700万ほどだった。
かつてTwitterは”サロン”だった
今と比べると圧倒的に小さな世界だったあの頃のTwitterのメイン層は、首都圏に住む20~40代の男性で、新しいWebサービス好きな人たち、いわゆる“Webに先進的な人”たちだった。大人が相互監視しながら荒れない雰囲気を作りつつ、有名人に対しては、寄ってたかって優しくしていた。あの頃のTwitterには、内輪のサロン的な雰囲気があったように思う。
優しい大人の男性がたくさんいるサロンに突然、女性の有名人がやってくるとどうなるか。自動的にチヤホヤされる。ほぼ無名の筆者ですら全力でチヤホヤしていただき、とてもいい思いをさせていただいたし、本物の有名人となるとなおさらだ。
あの頃にTwitterを始め、ユーザーと交流していた代表的な有名人といえば、勝間和代さんと広瀬香美さんだ。2人ともフォロワーに質問しながらTwitterの使い方を習得。広瀬さんは当時のブログに「とても素敵な場所」と書き、Twitterのテーマソングまで作って歌っていた。みんな、2人にとても優しかった。
筆者はそんなTwitterにわくわくしていた。芸能人とも政治家とも海外の人とも、まるで隣にいるようにコミュニケーションでき、一緒に何かを作ることすらできる。気になることについて話すと、見知らぬ人が議論に参加してくれる。
これまで、舞台の上と下とか、テレビの向こうとこっちとか、北海道と九州とか、日本と海外とか、立場も職種も居場所も違う、交流しえない位置関係にいた人たちがつながり、自分と同じ「1アカウント」「140字まで」という制限で話し、交流できる。「いろんな人と、ゆるくつながれる」。Twitterは当時、そんなメディアだと言われていた。
とはいえ当時も、「勝間和代さんや広瀬香美さんのような雲の上の人がTwitterに“降臨”した」なんて熱狂していたし、それがニュース記事になったりしていたのだから、一般人の側は、有名人との交流を特別なこととして感じ、芸能人を上に仰ぎ見ていたと思う。対等というより、特別な敬意を払って接していたから、有名人アカウントに唐突にひどい言葉を投げつけるなど、ちょっと考えられない雰囲気だった。
そう。かつて、Twitterはソーシャルメディアだったのだ。
(続く)
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