「本当のお金持ち」は暴落にも全く揺るがない チャートに踊らされず本質を見抜く投資哲学
実は世の中にはPBRが1倍以下の会社、つまり会社の保有する資産より株価が安い状態の会社が存在します。PBRが0.9倍だとしたら、1万円の価値があるものに9000円の値札がついているようなもの。9000円で会社を買収して、1万円分の資産を売り払ってしまえば、その差額が儲けとなるわけです。
なにもみなさんにPBR1倍以下の会社を狙えというわけではありませんが、そういった指標の使い方もあることくらいは覚えておいて損はないでしょう。
企業を知るなら「人」を知れ
本業の傍ら資産を増やすべく株式投資する大富豪にとって、主眼はあくまでも中長期で利益を出すことです。
そのポートフォリオの中枢をなすのは、先述した通り、安定した配当が見込める銘柄ではありますが、そこでリスクを抑えた分、大きな成長が見込めそうな企業への投資も忘れてはなりません。そこで必要な能力は、企業の成長力に対する目利きです。
そのとき、本当に優秀な投資家は財務諸表を分析するだけではなく、経営者をみます。なぜなら財務諸表から見えることは、過去(バランスシート = ストック)と現在(損益計算書 = フロー)に過ぎないからです。
会社を動かすエンジンは社員たちであっても、その方向性を決める鍵は経営者もしくは経営陣にあります。とくに大事なのは経営者の人間性であり、どのような信念を持っているのか、どれだけ情熱を持っているのかといった比較的アナログな基準です。
ベンチャーキャピタリストが投資先を選ぶ過程とまったく同じで、いくら儲かりそうなビジネスモデルでも経営者に魅力を感じなかったらおカネを出そうとは思いません。逆に、若干粗さの残るビジネスモデルでも、経営者に光るものや情熱を感じれば未来に投資することが多いのです。
資本金が1000万円にも満たず、サービスもまだ開発途上であるようなベンチャーに10億円の価値がつき、1億〜2億円の資金調達をすることがザラに起きる時代になったのが、それを物語っています。
「そうは言っても個人投資家が経営者に直接会うわけにはいかないだろう」と思われるかもしれません。しかし、SNS、書籍、経済誌、新聞、ネット記事、講演会など、本気になればいくらでも情報は集められます。それに、いまや個人投資家向け説明会を開催するところも増えてきましたし、一定数の株式を持っていれば株主総会に招集されますので目の前で話を聴くチャンスもあります。
私がシンガポールにいた時、欧米の金融機関を訪問するたびに優秀なファンドマネージャーを捕まえては「良いファンドマネージャーとは?」と同じ質問をしていました。結果、ほとんどの回答は同じでした。
「フットワークが軽いファンドマネージャーさ」
つまり、経営者のもとに通って、生の話を聞く姿勢が投資のパフォーマンスを上げるうえでいかに重要かということなのです。
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