人気ラーメン店が奇抜なメニューを出すワケ ピンク色の鶏白湯は何を狙っているのか
奇抜なメニューが次々と登場
東京都中央区八丁堀。ここ数年で『ど・みそ』『七彩』『竹井幸彦』などといった有名ラーメン店の支店や系列店などが進出し、東京の中でもラーメン激戦区のひとつとして数えられるようになった。ここに昨秋オープンした新進気鋭の人気店『麺屋 奏音(かなと)』が投入した春の限定メニュー「鶏桃湯(とりももたん)ラーメン」(税込900円)が話題だ。
同店のラーメンは、いわゆる「鶏白湯(とりぱいたん)」と呼ばれる、鶏ガラを白濁するまで煮込んだスープが基本。熱々のスープをホイップして泡立てることで、鶏の甘みに加えて、さらなるまろやかさを追求しているが、限定メニューの「鶏桃湯ラーメン」はちょっと様子が違う。本来は白いはずのスープがピンク色をしているのだ。
おそるおそるといっては失礼だが、レンゲでそっとすくって一口いただけば、意外にも通常のまろやかな鶏白湯ラーメンの味わいで違和感がない。タネを明かせば、ピンク色の正体は、ボルシチの色付けでも有名な、植物の「ビート(ビーツ)」。その根を煮出した赤色をした汁を加えることで、鶏白湯と合わさってピンク色になるそうだ。春といえば桜。それを意識した一品というワケ。正式な打ち切り時期は未定ながら5月中は提供するとみられる。
鶏白湯ラーメンは銀座の『篝(かがり)』が飲食店ランキング本の「ミシュラン東京2016」において、5000円以下で食事ができるコストパフォーマンスの高いお店に送られる「ビブグルマン」として掲載されるなど、今、流行になっている。『麺屋 奏音』はそのブームに乗りつつ、さらには「女性も気軽に入れる雰囲気」もコンセプトとして、ビジュアル的にも通常のラーメン店よりもお洒落な感じを店内や商品にも演出している。鶏桃湯ラーメンも女性を意識した側面もあるのだろう。
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