迷惑だった駅前の放置自転車が激減したワケ

郊外は駐輪場対策が奏功、残るは都心6区

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有料の駐輪場も各地に設置されている(写真: YNS / PIXTA)

2015年8月末時点で、都内で自転車や原付・自動二輪などを収容できる駐車場は2445カ所となっており、収容台数は92万2752台。2006年度には1786カ所、約78万9000台だったことを考えると、収容台数は大きく伸びている。

千代田区では、年間登録制とコインパーキングの2種類の自転車駐車場を設けている。年間登録制の自転車駐車場は区民が3000円、区民以外は6000円となっており、区外から自転車で千代田区内の会社に通う人のことも想定されている。一方、コインパーキングは2時間までが無料、10時間まで100円となっており、その後5時間ごとに100円ずつ加算される仕組みだ。

千代田区では街ぐるみで対策を推進している。秋葉原駅周辺では放置自転車が増加しているため、誘導員が呼びかけるなどの対策も進む。また八王子市では、可動式駐輪器具の設置により放置自転車を減らしたという。

さらに、2006年度から15年8月末までの間で増えた自転車等駐車場は民間事業者、特に鉄道会社の運営によるものが多い。自転車で最寄り駅まで行き、そこから鉄道に乗り換えるというライフスタイルが進んでいることがわかる。

鉄道と自転車の共存のために

そもそも鉄道は、高速で遠距離を移動するのに便利な交通機関である。自動車に比較してエネルギーの使用効率がよく、1人あたりの使用スペースも小さい。定時性にもすぐれている。

一方、自転車は自ら運転できる乗り物としては小さく、電動アシスト自転車を除けば人力だけでよく、エコな乗り物である。短距離の移動手段としては大変効率がよい。

この組み合わせは、自動車のように免許を必要としないこともあって、多くの人が気軽に利用できる。それゆえに、駅前の放置自転車問題も広がってきたのだが、行政の対策で駐輪場が整備されていき、問題が解消されつつある。駐輪場をきちんと使うことで、鉄道と自転車を効率よく組み合わせることができ、結果的にエコで便利な生活が可能となってきた。

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