パナ津賀社長が打った「あえて」減収減益予想 もう出来もしない売り上げ成長は追わない

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津賀社長は今期を「成長に向けた足場固めの年」と見込む

利益ベースの成長に回帰したが、今期は「成長に向けた足場固めの年」に位置付け、車載事業の開発費増や住宅事業の人員強化で、約500億円の先行投資を見込む。そのため期初から減益見通しを発表した。

追わないと決めた売上高は微減予想だが、2015年比で為替が円高に振れているため、円換算した際に金額が目減りすることを考慮(前期実績は1ドル120円、今期想定は同115円)。さらに、想定外の下振れリスクを吸収するためのバッファーとして2000億円見積もっており、今期の売上高は前期と打って変わって、“堅い”予想であると言える。

問題は、その先行投資が来期以降、実を結ぶかどうかだ。

「もうヤケクソ。分からないから勘や」

津賀社長は4月中旬に東洋経済のインタビューに応じ、「(期初から減益計画を出すことは理解されないかもしれないが)もうヤケクソやということ。将来のことが分かっていたら、(前期の下方修正のように)売上高が4,500億円も未達になることはない。分からないから、勘や、としか言い様がない」と、正直な心の内を語った。

この6月で就任5年目を迎え、その勘も「働くようになってきたのは間違いない」と語る津賀社長。正しい一手で描いた成長を引き寄せることができるのか。勝負の1年が始まった。

田嶌 ななみ 東洋経済 記者

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たじま ななみ / Nanami Tajima

2013年、東洋経済入社。食品業界・電機業界の担当記者を経て、2017年10月より東洋経済オンライン編集部所属。

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