難しさ増す日銀の舵取り

市場は次の緩和を期待

 

さらに、政府と日銀の共同という形で「デフレ脱却に向けた取り組みについて」と題したリリースを公表。文書では日銀が強力な金融緩和を進めると改めて明示した。政府は「デフレ脱却が確実となるまで強力な金融緩和を継続することを強く期待する」と日銀に注文を付けたうえで、「最適な政策を動員する」と記した。1998年の新日銀法施行以来、共同文書を出すのは今回が初めて。白川総裁は、「従来と違う認識を発表に込めたわけではない。共通の理解を改めて明確にすることで、それぞれの政策が効果的になる」と説明した。

■「無制限」の貸出支援効果は不明

追加緩和と政府・日銀の共同文書に加え、もうひとつ新たな枠組みとして打ち出したのが「貸出支援基金」の創設だった。従来から、成長分野への融資を活性化する目的から、日銀は成長基盤強化の融資制度(総枠5.5兆円)を行っている。

だが、新設する資金供給制度は総額の上限は決めずに「無制限とする」としており、従来の成長基盤融資とは性格が大きく異なる。民間金融機関が増加させた貸出額に対して、金融機関の希望に応じて全額を日銀が資金供給するという。

日銀はゼロ金利政策に加えて基金による資産買い入れで長めの金利低下を促し、企業がおカネを借りやすい環境をつくってきた。しかし、実際に企業が設備投資のために借り入れを増やす状況になかなか発展しないのが根本的な問題だった。

追加緩和を進める中、民間金融機関の応募が日銀の予定した資金供給額に届かない「札割れ」がすでに何度も起きている。つまり、量については金融機関にとっても「十分」というのが、従来のオペレーションの中で示されている金融機関のメッセージだろう。

 

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