難しさ増す日銀の舵取り 市場は次の緩和を期待

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成長基盤融資は日銀が幅広く成長が見込める分野を規定し、そこに対して貸付を行った金融機関に貸出を行う組みだ。効果の程は別として、日銀の資金供給が金融機関による成長分野の開拓や掘り起こしを推し進める”呼び水”となるとの理屈は成り立つ。

新設する資金供給制度は年内に枠組みの詳細を決める予定だが、「(成長基盤融資と新設の資金供給は)補完的な関係」(白川総裁)と言うももの、その位置づけははっきりしない。

今回、基金で買い入れる国債の年限(現状は1年以上3年以下)を延ばすという見方もあった中、それは行わずに既存の枠組みの中で総枠だけを増やす手法で踏みとどまった。政府との共同文書や無制限の貸出支援基金の創設で”新味”を出した格好だが、景気の減速感が強まる中、今後とも日銀に対する金融緩和の催促が強まる可能性は十分ある。

低金利状態を続けながら資金需要が盛り上がらないままだと、仲介を行う金融機関の利ザヤが低下し体力が削がれていく。金融緩和の副作用を意識しながら、追加的な措置をどこまで講じられるのか。景気に向かい風がふきつける中、金融政策の舵取りもますます難しくなっている。

 

 

(撮影:尾形 文繁 =東洋経済オンライン)

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